迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

事件の匂いかする“エゾシカ狩り”の話…

2月28日、新冠で起きた競走馬2頭の“誤射”事故…否、保険金目当ての銃殺事件。こういう風に表現するには、ちょっと語弊があるように聞こえるが、実は、経営難からワザと牧場関係者が所有する競走馬を射殺したという噂があって、万一、これが事実だとすれば、おそらく保険金を手にする前に、当該牧場が潰れる可能性がある。ぐぐる地図の機能で、周辺を検索すると、山間の深いトコならまだしも、当該牧場は、むしろかなり開けたトコに立地している。(ちなみに近所には、優駿SSがあったりする…つまり、オグりんやナリブーのご近所さん)こんなトコで、エゾシカ狩りなんぞしたら、どんなにヘタレなハンターでも、確実に馬とエゾシカを間違えることはない。まして、大概の牧場では、誤射防止のために、繋養馬すべてに馬着(マントみたいなアレ…昨今、引退式やGⅠの表彰式とかに着けてるアレね。)を着せてるから、普通に考えて“ありえない”話になりつつある事を踏まえれば、経営難を理由に、良血馬2頭に対して多額の保険金を掛けた上で“射殺”したと勘ぐった方が、話の辻褄が合いやすい…ま、事の顛末に関しては、地元メディアや競馬関係者に任せるとして、馬産地日高ならではの“馬と鹿にまつわる事故”の話。
さっきもチロっと話したが、昨今の生産牧場では、主に仔馬に対して馬着を装着して放牧に出す事が増えてる。もちろん、主な目的は、生まれたての仔馬に極寒の雪原は酷すぎる…そのため、保温の意味合いで着せる訳だが、それ故の“副産物”ができた…そう、エゾシカとの区別ができる訳である。ご存知の通り、馬の毛色で一般的なのは“鹿毛”であり、山間とかで放牧してると、野生のエゾシカと見間違える可能性がある。エゾシカを含む一般的なシカ科シカ属のニホンシカは、多少の個体差はあるが、成獣でもサラブレッドの当歳〜1歳ぐらいの大きさである。しかも毛色がそっくりなため、山林でエゾシカを見かけたからといって追いかけると、実は牧場だった…というケースもしばしばある訳である。
しかも、エゾシカの好物が、馬や牛にとっても“主食”である牧草ときてるモンだから、牧場経営者にとって、実は“害獣”扱いである。しかし、一時期エゾシカは、乱獲と大雪で生息地の食料不足で絶滅寸前まで数を減らしたこともあって、法律で保護対象になっていた。が、昨今は開墾が進んだ事や、狩猟制限があったこともあって、日高や阿寒湖周辺、大雪山脈を中心に繁殖しまくって、現在では市街地でも出没し、それこそ、奈良公園よろしくな交通事故が多発してるという。(奈良公園周辺では、年間、およそ90頭前後の鹿が、交通事故死してる…)そんなこともあって、最近では北海道でも、こんなページを掲載してるほどである。
故に、地域によっては一斉に害獣駆除としての狩猟を行うトコもある。で、日高の場合、馬産地だからこそ、ハンターの誤認からくる“射殺事故”ってのがあって、その“対策”として、仔馬に保険をかけることがある。ここがポイント…つまり、資金繰りに困って、廃業するか他の牧場と共同で運営し続けるかで悩むぐらいならと自棄を起こせば、そういうことも“さもありなん”ということである。しかし…保険金が支給される一番の目的は、あくまで誤射による事故死した仔馬の想定売却価格であって、故意に射殺した場合、保険金が下りる事はまず無いと思われる…人間で言えば“保険金殺人”と同じだからだ。本当にハンティングによる誤射であるなら、個体識別が可能なほどの至近距離で撃つ事は無いし、夜中だったからという言い訳は通用しない。第一、この時期のエゾシカのオス成体には角がある。(メスと仔鹿には角無いけど…)そういったことを踏まえると、そんなんでよく競走馬の生産やってるなとしか言い様が無い。
資金繰り悪化で経営か苦しい牧場はごまんとある…それが類似の行為をやればどうなるか、馬産地でなくてもすぐに解ることだ。仔馬に何の落ち度も無い、牧場経営者が“金の亡者”と化したが故に殺されたのであれば、これほど不憫な話は無い。馬のためにも、こんなクズな経営者のいる牧場は潰れたほうがいい。悪いが、こういう行為は競馬関係者だけでなく、同じ農業従事者やハンターに対しても、侮辱したのと同意である。
(3月7日追記:当該記事が消去されたっぽいんで、一部修正しました。)