迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

Don't Touch Me!!〜ボクちんに触るな!!〜

ブルヒーン、オグリンだお。ご主人様経由で、牧場見学マナーが守れない不届き者がいるって聞いただお。なんでも、今年から繁殖に回ることになったGⅠ馬の見学会で、牧場関係者に無断でたてがみを毟った見学者がいたとかで…そういや昔、骨折で休養中だった馬のたてがみを、不逞の輩が刈り取ったなんて事故もあったと聞いてるだお。それ、やっちゃダメだお!! 人間でも、無理やり髪の毛引っ張られると痛いだおな?ボクちんでも同じだお。まぁ…春や秋の換毛期ならともかく、たてがみって、通常は抜けないんだお。それを無理やり引っ張ったら、ボクちんでも痛いだお。
ブラッシングする時や馬装の脱着時に、体毛が抜ける事はよくある話だお。でもこれは、ボクちんにしたら日常的な事だし、たてがみや尻尾と違って、体温調整のための機能がメインだから、不要になれば簡単に抜けるようになってるだお。でも、尻尾にはブヨや蚊、アブなどを追い払うためと舵取りのために、たてがみは首筋の保護や風の抵抗を和らげるためにあるから、簡単には抜けないんだお。とはいえ、皮膚の疾患とかを理由に、たてがみや尻尾を短くする仲間もいるだお。実際に交際相手となる牝馬は、邪魔にならないように尻尾を束めた上でサラシを巻いてるだお。なんでも、感染症予防らしいんだが…そこんトコはボクちんもよくわからんw でも、邪魔になるからそうせざる得ないらしいのは確かだお。
でも、ボクちんが言いたいのは、単なる“獣の毛”なのに、そんなに欲しいのかってことと、どんだけ危険な行為かってことを知って欲しいだお。以前、ご主人様が解説したけど、ボクちん達は、牧場でキチンと健康管理された状態で繁養されてるけど、それは感染症予防の観点から行われてることで、人間が不用意に牧場に入る事は、外部から感染症の病原体を持ち込む行為と同じなんだお。外国から帰国する時でも、日本から旅立つ時でも、感染症対策で空港内で検査するような、厳重な防疫対策が、本来なら必要なんだお。当然だけど、トレセン見学でも、同様の防疫対策として、靴底の消毒が義務付けされているように、通常の牧場見学は、そういったルールがあるだお。そして、不用意にボクちんに触ることは、たとえボクちんの方から近づいてきたとしてもやっちゃいけない行為だお。防疫の面もさる事ながら、ボクちんの仲間には“噛み付き癖”や“蹴り癖”、“踏みつけ癖”があるのもいるだお。当人(当馬?)的にはおふざけでやってる場合もあるし、警戒心からの威嚇だったり、本気で怒ってる場合もあるだお。ボクちん的には“甘噛み”のつもりでも、人間的には“結構痛い”らしい(ご主人様曰く)だお。当然だけど、ボクちんの蹴りは、場合によってはクルマの鉄板を、鈑金でも治せないほど凹ませることができるだお。それがもし、人間の頭部や腹部に当たればどうなるか…そういう事故を防ぐ観点からも、放牧地の埒の内側に入るのは御法度なんだお。それに、競走中の事故などが原因で、極度に体を触られる事を嫌う仲間もいるだお。もし、そういう事情も知らずにさわれば、怪我だけでは済まされないだお。だから、牧場の人や観光農園などの施設管理者から許諾を得ずに、勝手にボクちん達に触らないで欲しいだお。
んじゃ、そういうことで…ノシ