迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

競馬を愛する語り部たち…vol.29:Triple Crown The Perfect・中野雷太

約2年ぶりの実況アナネタですw んでもって、ラジニケネタです。今回は、いろんな意味で“窮地に強い”というか、“悪運が強い”といった方がいいか、良くも悪くもラジニケのエース、“雷神様”こと、中野雷太アナの話。タイトルの意味は、ラジニケ所属の競馬実況アナで唯一、牡馬クラシック路線全般を担当してることに由来していて、だけど、そうなった理由が、今まで解説してきたラジニケアナウンサー達の“事情”があったためです。ま、現役では牡馬三冠の実況を行ってるのは彼だけですが、草創期のころ…今から60年前だと、早坂昇治アナがやってたりするから、厳密に言えば“唯一”という訳でもないんだが…
以前、北野アナや藤田アナ、広瀬アナの回で解説したように、本来であれば菊花賞の実況は、大阪支社所属の常駐が担当してきた歴史が一変したのは、2007年…そう、広瀬アナが胃癌で亡くなった事から始まる。それまでは、まさに、大阪支社の伝統でもあった事柄が、ここで途絶える事となってしまった訳である。そして、その“現場”に立ち会い、その役目を急遽引き受けた事がきっかけで、牡馬クラシック全レースを実況するという“異常事態”に発展した訳である。“異常事態”という言い回しに関して、語弊があるかとは思うが、元々、公式でのダービー実況を行うアナウンサーが、関西で行われる菊花賞まで公式実況すること自体、極めて異例の事態であり、それだけ、ラジオNIKKEIの競馬実況アナの人員が減ってしまった事を意味する訳である。もちろん、御来光様…もとい、檜川アナに菊花賞を担当させても良いのだが、牝馬三冠のうち、桜花賞秋華賞を担当してる事を踏まえると、日程的に負担が大きいのは言うまでもなく、しかも、両目とも白内障で眼内レンズを交換してる事を踏まえると、余計に負担をかけられない。では、2007年の秋華賞菊花賞はどうだったか?実はこの時、中野アナは、2週連続での実況担当を行ってるのである…そう、最初から決まってた秋華賞と、急遽シフト変更が入って菊花賞も実況したのである。
デビュー当時から、結構リスキーな勤務シフトを熟してるのだが、その背景には学生時代の経験が影響している。一つはバイトとしてバーテンダーをやっていて、将来的にそっちに軸足を置こうと思っていたこと、もう一つは学生結婚→離婚という経験があるからだ。苦学生だから…というより、“早く大人になりたい”という思いがあって、少しでも“大人の世界”を経験しておきたいということもあって、歓楽街の本格バーでシェイカーを振ってた訳である。で、そこそこ収入もあって、学生時代に付き合った女子大生と結婚したのはいいが、“夜の世界”で働く男性と、一つ屋根の下で生活するのはちょっと…という概念が、やがてバツイチの原因となる訳である。そこで、もっと大人の世界へ、もっと自分の生きる道として没頭できる仕事はないかと探してるうちに、ラジニケ主催のレースアナ養成講座と出会い、そして才能が認められてラジニケに入社する事になるのである。実は、このレースアナ養成講座ってのは、ラジニケでの即戦力(競馬実況に適した人材)を見出す場でもあって、ここで講師陣に声を掛けられた者は、最終的にラジニケの社員になる事が多い。特に、中途採用枠で採用されて競馬実況を担当になる者は、ここでの上級者向け講座を受講した上で、スカウトされる事が多い。あとで紹介する予定の舩山陽司アナもそのうちの一人だが、大きな違いがあるなら、中野アナの場合、アナウンサーとしての勤務経験なしでの“中途採用”である。つまり、初めから競馬実況アナとしての素質があると見做され、それが決め手となって、早々のデビューとなったと言っていい。
デビュー当初から、見た目のチャラさや声の雰囲気から渡辺アナに相当イジられ、半ば無理やりにハロヲタにさせられたトコがあったが、大阪支社転勤後…否、広瀬アナの件に直接触れた事を機に、真面目路線を貫こうとしてる姿は、ラジニケという組織の中における今の地位が、雄弁に物語っている。本社に戻って以降、佐藤アナからダービー実況のバトンを受け、名実共にラジニケのエース実況アナとして、今の姿へと成長したことが、唯一の救いなのかもしれない。

さて…真面目な部分を語ったトコで、ちょっとプライベートな部分をガサ入れすると、現在の嫁さんである高瀬有紀子アナと再婚したのは、広瀬アナの件から2ヶ月後…しかも、いわゆる“できちゃった婚”であるw(長男誕生から逆算したら、“種付け”は小倉開催時…)そもそもの出会いは、まだ新米クンだった頃の緑茶…もとい、グリーンチャンネルでの共演で、高瀬女史自身、当時はやはり“チャラ男”というイメージしかなかったらしいのだが、関西での中継のフォロー(要は広瀬アナ離脱による、番組進行の補佐)に入って仕事してるうちに、その気になった…らしい。(ちなみに彼女自身もバツイチで、前の夫は日テレの河村亮アナである。)ぶっちゃけ、この二人の背中を押したのは、広瀬アナ自身ということになるw(この人自身、いろんな意味で“縁結びの神”的な人だったよなぁ…)そして何より、現役アナとしては“絶滅危惧種”に近いヘヴィスモーカーで、二人の息子がいるのにも拘らず、酒とタバコがやめられないらしい。しかし、急にタバコをやめたら、あのスレンダーで見栄えのいい体形が、一気に馬場アナの如く太りそうなんで、できれば健康に留意しつつも、喫煙はやめない方が良いかも…w