迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

設備投資と競馬の話…

令和と改元になって早々に、なんかユルいネタではあるが、大型連休に伴う開催は、まさに掻き入れ期である。故に、中央地方関係なく、重賞競走の開催が集中したり、競馬場内のイベントも、主に家族連れを想定したモノが目立つ訳である。また、今年は最大で10連休って人も多いから、プチ帰省と洒落込んで旅打ちに出てる人も…w


では、この時期に大掛かりなイベントが立て続けに集中するかって言えば、こういう時期でないと、地方だと集客が見込めないってことと、中央の場合は日程的に“厳しい”ってことがある…特に東京競馬場の場合、所在地の府中市では、大國魂神社例大祭である“くらがり祭”の開催があって、時間帯によっては交通規制がかかる関係で、かつては大祭施行日は、開催を控えたモノである。

地方競馬中央競馬の開催がバッテイグすると、日程によっては交流重賞を組めなくなる…昔はむしろ、中央地方の交流戦を組むこと自体なかったこともあって、ワザと日程をバッテングさせて競馬ファンの取り合いをやてったモノだが、流石に今は来場者よりもネット投票による馬券発売が主体とあって、レースそのものに関しての売上はともかく、いかに競馬場へ足を運んでくれるかに焦点を絞った戦略が課題になっっている。人気コンテンツとのコラボ企画もそうだが、それ以上に来場者対象のイベントに関して、どこに力点を置くかで、各地苦慮してることが窺い知れる訳で、特に家族連れとなれば、必然的に小学生以下の児童対象のイベントは、キャラクターショーやグリーディングが目玉になりやすく、それプラスで何をやるかで頭が痛い思いをする訳である。中央の場合は競馬場自体の敷地が大きいから、“ふれあい動物園”と称して、ポニー乗馬や給餌体験などを実施する事もあるが、地方は場所によっては、場内の混雑回避を理由に、実施できないトコも多い。


公営競技は総じて、同伴の子供をどうするかっていう部分は、意外と疎かになりやすい課題なのだが、今までが“鉄火場”という意識の下で“男性就労者”以外来場しないという想定で場内施設を整備してきた歴史的な問題があって、昨今の環境変化について来れていない事情は、全国的に見られる傾向である。ただ、中央競馬がここまで大衆化するには、分相応の設備改善をやってきたからこその話であり、いくら武豊騎手的場文男騎手が世界中で活躍しようが、オグリキャップやアーモンドアイが話題になろうが、興味が湧いていざ競馬場へ行ったら、薄汚い…いかにも不健康な雰囲気の場であったら、並の女性なら敬遠してしまうのがオチである。(オイラが競馬を始めた頃は、ガチでえげつないぐらいに雰囲気が…特にウインズ難波w)


そういった意味では、環境改善による集客力向上は、あながち侮れない部分であり、これにプラスして魅力的な注目馬が出走したら、更に盛り上がるように思いがちだが、実はライトユーザーがリピーターになるかどうかは、女性や子供が雰囲気を“気にいるか”どうかにかかってるのであって、目の前で名勝負が繰り広げられても、関心が向かなかったらそれまでなのである…だからこそ、場内設備が更新される度に“古き良き鉄火場”という姿が消えつつある訳であり、快適な環境が整った競馬場ほど、連休中でも大盛況になるのです。そんな、基本的な設備投資もせずに経営改善ができた公営競技って、どこにあります?


イベントに関してもそうなんだが、来客者を甘く見てると、常連ですら足が遠のく訳で、ここを理解せずにイベント企画会社に忖度したモノをいくら用意しても、費用対効果は薄いだけで、却ってファンを減らす事に繋がりかねない。大々的に広告を行って集客をやる分には良いが、肝心な中身がショボいと、以後、ファンも“こんな程度か”って事で、相手にしなくなる。特に子供の判断は常に冷徹で、公式ゆるキャラのグリーディングでも、そのパフォーマンスが子供心に“面白くない”となると、次回以降は近づくことすらしなくなる。ま、中には躾ができてない問題児もいて、いわゆる“中の人”は大変ではあろうが、基本的に、子供が“楽しい”と感じるか否かは、総じて自分から“また行きたい”と言うかどうかである。親に付き合わされて嫌々連れられてきて、“楽しい”と思える事は稀であり、だから子育てにおいて外出時に苦労する人が多いだろうが、根本的な事をいえば、自分自身の幼少期を思い出して、自分の親が“どんな事をした”かを考えると、自ずと見えてくる…そういう“家族の過ごし方”の経験が薄いから、いざ、自分が親として子供に接するべきかが“解らん”のであり、興味を示すための機会を、積極的に作っていく事で、競馬場で“遊ぶ”という選択肢も生まれる訳である。



傍にいる大人がやってる事を、“やってみたい”と関心を示して、初めて子供は大人の社会に付き合う事を学ぶ訳であり、その付き合いを幼少期に嫌ってたら、そりゃ、子育てに苦労しますって。なんせ、どうやって“他人に頼る”か、その術を知る余地がないから…