迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

Shin's Barへようこそ 2015ニコニコ本店 第二夜

シン(以下シ):なにやら、安保法制で未だにウダウダ言ってる人がいる様ですが、どっちであっても、憲法や法律を厳守せよという事自体、基本的人権の軽視だと思うんですけどね。本当に、その瞬間に立ち会わない限り、人間は同じ過ちを繰り返すのでしょうか…
(カラン…ガタン!!)
シ:(/審`;)=3 開店二日目なのに、もうドアが破壊されるって、どうよ?
オグりん(以下栗):毎回思うんだけど、入口狭すぎだお。
シ:だから、馬専用入口から入りなさいって言ってるでしょ?
栗:ポニーサイズだから、人間用でも通れるハズなのに…
シ:オグりん、だからと言って、後肢による二足歩行で入ろうとするから、頭やお腹が引っかかるんです!!
栗:んな事言っても、ボクちんだって、人間同等のサービス受けたいだお!!
シ:それはともかく…
(パタン…)
ほら、あっちから入ったら、スムーズに入れるでしょ?
栗:あのねぇ…
塔匠紳士(以下塔):そこの葦毛に薦められたんで訪ねたが、主人よ、ハードシードルを頼めるかな?私は無類のリンゴ好きでなぁ、リンゴで作った酒があると聞いて、飲んでみたくなったのだよ。
シ:もちろん、ご用意させていただきます…それにしても、リンゴ好きな名馬はごまんといますが、シードルをチョイスするとは、なかなか渋いですね。
塔:いやなに…ビールも好きだが、あれはどうも飼葉の様な味しかしないからなぁ。それに比べると、同じ様に見えて、味がとてもフルーティなのだよ、シードルは。
シ:迷馬さん曰く、飲んだ瞬間はビールだが、ビールよりも飲みやすいとも…あ、お待たせしました。
塔:ふむ…うん、この味、人間だとビールと間違えるかもしれんが、私達なら間違いなく、リンゴとして認識できる味だ。よく冷えていて旨いなぁ…
栗:でしょでしょw ボクちんも好きな味だお。
塔:ところで主人よ、私の故郷でもあるトウショウ牧場が、今月末をもって閉鎖となるらしい…
シ:Σ(´審`) え…トウショウ牧場がですか。
塔:これも時代の流れ…と言えばそれまでかもしれぬが、ここのところ、所有馬の競争成績が振るわず、牧場としての経営が悪化していたらしく、自家生産の繁殖馬の多くを手放してなんとか切り盛りしてたんだが…それも限界となった様だ。目白さんの牧場も経営者が変わってしまい、その由緒正しき名称すら消滅してしまったし、私もある程度覚悟はしとったが…
シ:現在、オーナーズブリーダーとして存続してる有名牧場といえば、社台グループの牧場とシンボリ牧場、最近ではノースヒルズがありますが、古くからオーナーズブリーダーとしてやってきた牧場が、経営難で解散というのは、さぞ経営者としても、牧場主としても、とても悔しく、そして残念なことだと思います。
塔:そう言ってくれる事は、牧場主に代わり感謝する。しかし、経営悪化は名門だからこその怠慢だと、私は考えるのだよ。
栗:自家生産に拘り、血統の保持という概念に縛られ、新しい可能性に挑戦する事を怠ったという事だおか?
塔:小栗殿も、そう思われるか?だとすれば、由々しき事態に陥ってたにも関わらず、何の対策も講じなかった経営責任は、問われて当然の事だという訳だな。
シ:これはトウショウ牧場に限らず、すべての生産牧場でも同じだと思いますね。人気種牡馬に偏り過ぎれば、今は良くても、必ずどこかで生産過剰となり、最終的には血統的に配合が難しくなり、泣く泣く繁殖馬の処分を検討しないといけなくなる…生産性のいい競走馬を作りたいが、伝統の血統を守りたい…どうしてもそういうジレンマが生じやすいですね。
栗:全部あの“黒いアンチクショー”が悪いのだ!!
塔:そうとも限らんよ、小栗殿。私の時代ですら、北味さんに散々な目に遭わされたクチだからな。だが、それ故に繁殖牝馬で同型血統ばかりになり、多くの優駿が涙を飲んだのだよ…繁殖先がなくてな。一時代を築くとは、そういう弊害も潜んでるモノだよ。これも、すべて生まれ来る時代の運命なのかもしれんな。
シ:話が湿っぽくなりすぎるんで、そろそろ今宵の一杯…アップルバレルと自家製カスタードホイップクリームとカラメルソースを、ハンドブレンダーでミキシングした、ビターアップルパイです。あ、ご家庭でやる場合は、市販のプリンとコーヒーフレッシュで代用可能ですよ。ちなみに、ヴィーガン用のアレンジとして、豆乳プリン(卵不使用)で作ってあります。