迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

子供の時から知る機会を…

6月末の定例会見で、JRAはこの秋、キッザニア甲子園に“ホースパーク”を開設すると発表した。ご存知の方も多いかと思うが、キッザニアは子供の“職業体験型”テーマパークであり、今回、JRAキッザニアの公式スポンサーになる事を受けて、競馬を支える仕事の中でも“裏方”の分野になる、厩務員と家畜獣医師の体験を提供する事になったそうな。ま、子供相手の場所である訳ですから、騎手や調教師といった“本職”体験はゲームでもできるし、競馬場やウインズでの業務体験は、場所柄上分不相応なのは言うまでも無いから、このチョイスは妥当な範囲だと思う。けど、大人であのロゴマークと馬の模型を見たら、これ競馬だろ?ってツッコミが入るのは目に見えるが…w
閑話休題、今回の件で重要な事は、職業体験を通じて、競馬に関する仕事には、ギャンブルとしての要素以上に農業…特に畜産業に関する分野もあるという部分を知ってもらう事と、そこから興味を持ってもらう事で、単純に“競馬=ギャンブル”という批判が、いかに的外れな事かという事を知ってもらう機会になるのではと思っている。なにせ、畜産業の現場を知る機会なんてのは、家畜の衛生管理上、そして、都会にいると牧場がある場所まで行く機会自身が無いため、非常に難しい話であり、また、実際に観光農園(牧場)に行くにしても、見学時の基礎知識(ルールやマナー)を知らずに、勝手に家畜に触って感染症に罹れば、罹患者はもとより、管理責任を問われる関係者の方は堪ったモンじゃ無い。当然だが、家畜だって不特定多数の人間にベタベタ触られる事は、相当なストレスになる訳で、それが原因で病気になれば、牧場経営者にとって甚大な損益になりかねない。そういう意味では、これは非常に良い考えだと思う。
子供のうちから馬を身近な存在として知ってもらう事で、競馬に対するマイナスイメージを払拭させる狙いもあるだろうけど、注目すべきは獣医師の仕事を盛り込んでいる点である。通常、獣医師ってのは一般的なトコでは、ペットの健康管理と怪我や病気の治療がメインだが、大型家畜である馬の場合、町医者系の小さな施設ではそういう訳にもいかない。

これは、栗東トレセン内にある馬の診療所にある、所謂“診療台”である。あの馬体を診療するために固定するには、小型犬や猫みたいに片手で押さえ込むという訳にいかないからこそ、こういう固定用の木枠が必要になる。


こちらは手術室である。500kg前後あるの馬体ゆえに、手術室全体が“手術台”といった感じだろう。(誰だ?屠畜現場とか言ってるヤツはw)こういうのは、GⅠ調教公開での見学時に、運が良ければ見学できるのだが、一般的には見学は不可能である。そういう意味では、今回キッザニアに常設される事となる“ホースパーク”は、子供はもちろん、同伴する大人も、一度は見ておく事を勧めたい。