迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

馬を撮影する時の注意点。

シン(以下シ):競馬ファンの皆様、こんにちは…シンです。
オグりん(以下栗):ブルヒーン、オグりんだお。
潤平(以下潤):イランカラプテ、潤平です。
栗:んあ、潤ちゃんアイヌ語
潤:一応、“生前さん”の出身が北海道なんで…w
シ:今回、俺達三人(二人と一頭?)が登場したのは、最近、競馬場や牧場などでの“写真撮影”に関して、マナーレスな行為が頻発してることを受けて、馬を撮影する際の注意点と、事故防止の観点からの解説を行いたく思い、迷馬さんに無理言いました。
潤:僕の“生前さん”が現役時の時でも、パドック周回中などで見かける事がありましたが、いい写真を撮りたいあまりに、ついついやってしまいがちな事について…
栗:んで、ボクちんの様な“馬の立場”から“これはヤメテー”って言いたい事を、解説するだお。
シ:まず、よくありがちな失敗談として、曇天時や雨天、ナイター開催時の競馬場でよく見かける、フラッシュを使った撮影なんですが、気持ち的にはわかりますが、非常に危険な行為です。
潤:そうなんですよね…馬はとても敏感で臆病な動物です。特に視覚に関して言えば、フラッシュ等の急激な光の点滅は、いくら環境慣れしてるといえど、非常に怯えてしまった挙句、パニックから制御不能になりかねません。
栗:特にパドックでの撮影では、ただでさえレース前の緊張感からイライラしてるのに、フラッシュ焚かれると、何事が起きたのかパニックになるだお。特に新馬戦…今は“メイクデビュー”って言うらしいだお?あそこに出走する馬達は、言ってみれば今まで外界との接触がなかった、未熟で経験値の浅いモノばっかだお。それがいきなり、見慣れない光の点滅や、金属類のキラキラするのを見ると、不安がって立ち上がったり、その勢いで転ぶ事があるだお。それで、厩務員さんや馬が事故で怪我すると、ひとたまりもないだお。
潤:特に、騎手目当てで写真を撮りたい人に限って、馬を無視してフラッシュを焚こうとする傾向がある様ですが…これ、本当に馬が予測不能な動きをして、パドック周回中やゲート前の輪乗りの際に転倒したら、僕ら自身も危ないんですよ。実際、調教中でも不本意な落馬で馬の下敷きになって、死傷するケースがありますからね。
栗:逆光になるからとか、周囲が暗いからと言って、馬に向けてフラッシュは、絶対にやめてほしいだお。こういうのは、プロのカメラマンさんにも言いたいだお。厩舎内での撮影に、フラッシュ焚かれると、厩舎内で大暴れして、脚を怪我する事もあるだお。ボクちん達にとって、脚の骨折は命に関わる重大な事故だお。
シ:そういった事も加味した上で、競馬場や生産牧場などでの撮影時には、絶対にフラッシュは焚かないでください。対策としては、デジカメの場合はホワイトバランスや色彩の調整を行い、スチール(フィルム)の場合は、使用するフィルムの感度を上げるなどの工夫を行ってください。

栗:この写真でもそうだけど、フラッシュなしでも、今のデジカメなら充分に陰影を調整をする事ができるだお。



潤:これ、どこの牧場で撮影しました?
栗:んあ?ご主人様がガラケー(CASIOのEXILIMケータイ)で撮ったヤツだお。えっと、場所は確か、ボクちんが繋養してたトコだっけ?ちなみにこれは、フォトショとかでの修正は、一切やってないだおw


これもそうだけど…って、ご主人様、なんで蹴球少年の写真をピックアップするだお?そこはボクちんの写真とか…
シ:まあまあ…そこはあくまで“参考”として挙げてるだけだから…
栗:ご主人様ぁ〜(T..T)
潤:話が進まなくなるんで、このまま無視して…他に気をつけるべき点を言えば、望遠レンズで撮影する際に三脚とかを利用される人がいるかと思いますが、競馬場での撮影時は、これは避けるべきですね。他のファンも、間近でレースを見たいと思ってる人もいますから、最前列で大型三脚を使うのは、どうかと思いますよ。まして、スタンド内での使用は、いくら野外といえど客席がある以上、通路が狭くなるだけでなく、足元が非常に危険な状態になりますね。
シ:もちろん、カメラケースを持ち込んで撮影する分には批判しませんが、いくら頑丈なケースだからと言って、そこに登って撮影するのは、後方の観客の視界を遮る行為ですし、特に混雑時に転倒した場合、周辺の観客に対しても迷惑をかける可能性があります。現時点では、周囲の観客に死傷者が出たという事案はありませんが、万一、ケースが壊れたり、足を踏み外して転けた場合、当人はもちろんのこと、巻き込まれた人は堪ったモノじゃありません。事故防止の観点からも、これは競馬場だけでなく、他のスポーツ観戦時でもやめてください。
栗:いい機材を持っていたからと言って、それをフルに活かしたいからという理屈は、どんなカメラマンであっても通じない話だお。それこそ、鉄道写真を撮るために無断で放牧地に入ったり、勝手に牧草地の草を刈ったりするのはダメ…これと同じぐらい酷い行為だお。
潤:そうそう…カメラは搭載された機能で選ぶのはなく、自分の撮影目的に合わせたモノを選ぶ事と、撮影時の制約があるからこその工夫をする事が大切であって、周囲に対してちょっとした心遣いを魅せてこそ、初めて撮影の腕を認めてもらえるのです。いい写真と撮るため…という言い分だけで、周囲が納得するなんてのは、世間をナメてるとしか思えないです。
シ:相手は動物である以上、こちらが予測できない行為を起こすケースがある限り、細心の注意を払って撮影してほしいものですね。という訳で、今回はこの辺で失礼します。