迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

京都競馬場と関西私鉄の因縁話w

今回はちょっと放置しまくり状態の京都競馬場に関する話…といっても、正確には、京阪と近鉄と阪急の“究極の因縁話”についてw このブロマガの“本文”から外れたような話だが、ここの部分を解説しないと、少々厄介なことになりかねないからである。
ざっくりと京都競馬場に関する歴史を話すと、今の淀は、大正時代に設置されたコースであり、淀川(宇治川)の三日月湖の地形を生かしてあのカタチになった訳で、一説では、襷コースを設置したくて埋め立てる計画もあったらしいのだが、諸般の事情で頓挫し、現在に至る。ちなみに、ここが中央競馬のコースとなる以前は、長岡京市や向日町に小規模な競馬場があったらしいのだが、立地条件や時代背景的な事情で、当時の主催者(京都競馬倶楽部)が競馬開催地を淀に統一化した…という経緯があったりするw ま、京都の催事(祭礼)には馬は欠かせない存在であり、日本の競馬…以前解説した“くらべうま”の発祥の地とも言えるトコであるから、競馬に関する免疫みたいなモノがあったからこそ、近代競馬のコースが京都市内(と言っても、淀は厳密に言えば洛外エリアなのだが…)に設置できたと言っていいだろう。
で、今でこそ京阪淀駅直結の競馬場となった訳だが、この京阪自身、途方もない歴史の持ち主で、現在の京阪本線がひょっとすると阪急、あるいは近鉄に乗っ取られていた可能性があるという時期があった。そう、京阪の経営陣がアホすぎて、危うく消滅しかけたのである。その一つが、現在の阪急京都線に関する話であり、もう一つが、宇治線交野線、そして近鉄京都線に関する話である。まぁ…阪急に関する因縁話は結構有名だし、ここではちょっと割愛するが、近鉄に関して言えば、阪神なんば線が開通したことによって、実は奈良県在住の競馬ファンが、阪神競馬場へも行きやすくなったのは言うまでもないが、それ以前は、むしろ京都競馬場の方が行きやすかった…というより、そこしか行けなかったという、笑うに笑えない事情があったのである。(それを阻んだのが、大阪市交通局の“モンロー主義”だったりする訳だが…ここでは割愛w)
京阪丹波橋の近くに、今は使われていないポイント痕がある…隣に近鉄京都線が並走していてお気付きの方も多いだろうが、実はこれが今回の話の核心。その昔、実は近鉄と京阪は相互乗り入れを行っていた時期があったんだが、それはこの丹波橋が舞台となる…ま、正確に言えば、近鉄と京阪が合弁会社を設立して開業させたのが、現在の近鉄京都線の前身となる奈良電鉄であり、ここを経由して近鉄西大寺駅京阪三条駅までを結んでいた時代があって、その名残として、乗り入れを行うポイントが設置されたのが、現在の丹波橋付近…ということである。京阪的な本音を言えば、京阪本線から奈良方面へ向かう路線が欲しくて、近鉄的な本音を言えば、京都中心街へつながる路線を開拓したくて、その双方の利害が一致したこともあって、そういうことをやってた訳…なんだが、なにせ沿線に国鉄(現:JR西日本)奈良線が並走してて、乗客の取り合いになったことと、資金繰りの悪化で京阪の方が経営的に根を上げた(正確に言えば、滋賀県エリアでの子会社運営に軸足を置いていった)…そこで経営の立て直し策として京阪が奈良電鉄の経営から手を引き、その株式を近鉄がすべて譲り受けることで会社そのものを吸収合併し、現在の近鉄京都線へと変貌するのである。そして、相互乗り入れもやめたのである。これにより、近鉄京都市中心街に再び乗り入れるのに、京都市交通局地下鉄烏丸線の開業を待たざる得なくなるのである。でもって、京阪は奈良への路線拡大と、現在のJR京都駅接続を諦めたのである。
つまり、もしも京阪が完全に鉄道事業に対して、もっと積極的に阪奈間の開発を行っていたら、現在の近鉄京都線は、京阪の子会社による運営になっていたのと、交野線宇治線と接続して“京阪奈環状線”を作り上げていた可能性がある。あ、そうそう、交野線自身も元々は、近鉄の子会社が作った路線であって、それが消滅した事によって、京阪が吸収した路線と言っていい。で、話を阪急に振り直すと、現在の阪急京都線は、本来であれば京阪の新線として開業・運用されてたんだが、戦時下のどさくさに阪急が京阪からの譲渡を受けて現在に至る訳で、このどさくさがなければ、京阪は阪急、または近鉄に吸収されていた可能性がある。ぶっちゃけ、南海もそうなんだが、関西大手私鉄で、阪急と近鉄に世話にならなかったのは、どこにもないと言っていいw(阪神ですら現在は、ある意味阪急と同じグループ会社ですからw)もっと話を深いトコですれば、小林一三と佐伯勇という“関西の二大鉄道王”のガチンコバトルに
一番巻き込まれたんが京阪であり、んでもって、阪急が絡んだトコでは競馬が、近鉄が絡んだトコでは競輪が、なぜか珍重されている部分がある。(その逆をいえば、阪急では競輪が、近鉄では競馬が、なぜか見下されているw)そういう意味では、今後の公営ギャンブル…特に関西での存廃問題は、近鉄と阪急の“皮算用”的なトコが働く可能性が高いw