迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

ルメール騎手の“騎乗停止”の件について…

シン(以下シ):ブロマガをご覧の競馬ファンの皆様、ご無沙汰しております、シンです。迷馬さん経由で得た情報なのですが、今年から外国人騎手2名が、中央競馬の通年での騎手免許を取得したのですが、そのうちの一人、クリストフ=ルメール騎手が、いきなり9日間(3月1日〜29日)の騎乗停止処分を受けました。もちろん、その理由として、調整ルームでスマートフォン経由でSNSTwitterで外部と連絡を取ったという事ですが、この件に関して、俺ともう一人…この方に登場してもらって、解説していきたいと思います。
潤平(以下潤):ブロマガユーザーの皆さん、初めまして。潤平と申します。えっと…“生前さん”については、僕の名前で察してください…w ところで、ひろ…じゃなくて、シンさん、その外国人騎手がやった行為って、日本中央競馬会競馬施行規程第147条の19、あるいは20の項目に該当しますね。
シ:はい、当人としてはたまたま電源を切り忘れた挙句、うっかり相手側の返信に答えてしまったことが、今回の制裁となったようです。
潤:これに関して詳しく解説すると、騎手は調整ルームに入ると、いかなる事情があっても、競馬開催終了、あるいは、怪我や他場への移動などで当該競馬場を離れるまでは、外部との連絡は、一切行ってはならないという規定があります。競馬に限らず、公営競技の関係者は、開催時の公平なレースを行うための措置として、類似の規定があります。
シ:つまり、八百長防止の観点から、全レース終了まで、騎手は情報から隔離された状態になっている…と解釈していいでしょうか?
潤:厳密に言えば、僕らの方から発信する事に関して、厳しい制限がかかってると考えてもらえればいいかと…
シ:つまり、今回の場合、Twitterで返答を行わなければ、問題がなかった可能性があると考えられるんですね。
潤:語弊が無い様に言えば、携帯の電源さえ切っていれば、そもそもこういうことにはならなかったと考えていいでしょう。但し、メールやSNS…でしたっけ?それを閲覧する程度ならともかく、そこに返答をすること自体、競馬と関係ない雑談であったとしても、嫌疑をかけられても仕方ないと思います。
シ:こういうトラブルって、昔からあったのでしょうか?
潤:僕自身は、そういう場面に遭遇した経験がないんでなんとも言えませんが、古い競馬ファンなら、一部の社会不適格者からの依頼で八百長をやって、関係者が逮捕されたケースもあるようなので、ご存知の方も多いのでは?最近だと、地方競馬の方で、関係者を装った一般人を調整ルームに連れ込んだとして、1ヶ月の騎乗停止処分が下ったケースがあるみたいですね。
シ:これもこれで、やはり公正な競馬開催を行う上での障害とみなされるのですね。
潤:あくまで、制裁となっている理由が、外部との接触であり、そこで不正行為を行うよう強要されている可能性があるとみなされるためであって、また、情報の漏洩を未然に防ぐ目的もあるため、違反した場合、たとえいかなる理由があっても、罰則の対象になるのです。ただ…身内の不幸とか、非常事態に関する内容の場合、話は別になりますが…
シ:この他にも罰則規定に該当する事案はありますか?
潤:一般的な犯罪も、当然ながら罰則の対象になります。ただ、競馬開催時の関連ではなく、刑法に抵触し、逮捕された場合は、より重い制裁を科されることになります…薬物乱用や交通事故など、直接競馬とは関係がなくても、警察沙汰になった時点で、無期限の騎乗停止や資格の剥奪などが科される場合があります。当然ですが、公営競技での八百長は言語道断で、当事者、および該当する関係者は全員、処罰対象となります。それを防ぐ観点から、競馬関係者は開催時において、情報管理に対する厳しい規制がかけられた状態で、競馬が施行されるのです。

シ:少々、大雑把なカタチにはなりますが、今回の件についての解説は、ここで終了させていただきます。
潤:ところで…最近“こちら”の方に、なんか騒がしいのが来たみたいだけど、どうされます?
シ:…その件については、後日改めて紹介することにしましょう。それではこの辺で失礼します。