迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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京都競馬場の“池”の話w

他の競馬場と違って、馬場内に巨大な池を抱え込んでいる京都競馬場。実はこれ、人為的なモノではなく、競馬場が開設される以前から存在するのをご存知だろうか?というのも、実はこの池、元々は宇治川三日月湖(小椋池の一部?)で、その堰堤をコース状に形成したのが、今日の京都競馬場の原型であり、今でもその形状は維持されている。故に、淀川水系の河川の流水量によって、その池の貯水量が変化し、時には、コースの馬場状態にも影響を及ぼしていた。特に昔は、雨天時はただでさえ馬場がぬかるむだけでなく、池の影響で水はけが悪く、翌日晴天でも、馬場状態が回復しない…なんてのは日常茶飯事でしたw(今では、水はけが改善して、馬場への影響が少なくなったが…)
では、なんであの池を埋めようとはしなかったのか?一つは、建設当時の土木技術では、あの巨大な池を埋めるのに必要な土砂の量が見当もつかなかった事や、池の中央にある小島(通称:弁慶島)をイジると祟りに遭うなどの謂れがあった事、ほかにも近隣の田畑用の灌漑用溜池として活用したかったなどがありますが、一番の理由は、あの形状が、競馬場のコースとして造成するにはちょうど良かったのが大きいでしょう。
Wiki等の情報によると、元々この周辺は湿地帯であり、河川の合流部(宇治川・木津川・桂川)でもあるため、大小さまざまな三日月湖や沼地が点在し、その集合体の様なのが“小椋(おぐら)池”と呼ばれ、しかもそこは、ぶっちゃけ…身元不明者や身寄りのない者達の“水葬”の場(=死体遺棄の場)として使われてたといういわくがあって、そういう噂があるといって良いでしょう。しかし、京都競馬倶楽部(現在のJRAの前身の一つ)が大型の競馬場を開設しようと用地の選定をした際に、この場所だと一周1マイル(約1600m)のコースが作れる…という事で、この地に競馬場を開設した訳です。また、面白い事に、周囲から隔絶されたとされているこの池にも、実は外来生物ブルーギルミシシッピーアカミミガメ等が生息してるのが確認されているのだが、よくよく考えれば、排水のための作った水路がある以上は、河川の増水で逆流すれば、宇治川経由で琵琶湖から来たブルーギルブラックバスが迷い込んでもおかしくはないw(事実…オイラの近所にある溜池は、一部、近隣の金魚屋が管理する養魚場も兼ねてるトコがあって、大雨で増水したり、水田管理で池から水を送ると、一部の金魚が脱走して、用水路で野良状態になるw 当然、田んぼの中に迷い込めば、後日“肥料”となって美味しいお米に化けます…w)
戦後になって、とある動物商からコブハクチョウ8羽を購入してこの池に放って以降、現在、黒鳥も含めて100羽以上生息してるという白鳥だが、生息地…というか産卵場所は、なぜかあの弁慶島だったりする。ちなみに、ほぼ自然繁殖に近い状態でいるモンだから、餌やりが結構大変だそうで、しかも冬場は鴨や雁の飛来地にもなってる関係で、餌を求める水鳥が群がって、餌場に給餌できない事も…ま、そんな事もあって京都なのに“スワンステークス”が行われる背景には、この池で飼っている白鳥が由来になってる訳です。当然ながら、スタンドの一部や障害コースのバンケットの事を“ビッグスワン”というのも、ここから来てる訳で…