迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

放送席の位置

中央競馬の放送席は、大概の場合、スタンド最上階のゴンドラ…正確にいえば、決勝審判席があるエリアの、ゴール板近くに集中して存在する。(スタンドの構造上、競馬場によって位置が若干ズレている事もあるが…)これは、実況中継を行う放送局に対し、報道機関としてJRAが用意してる関係で、競馬専門誌や一般紙(スポーツ新聞など)の記者席も、同じトコにある。ただ、新聞記者の席は他社と合同で一つの大部屋を使うのに対し、放送席は局毎に部屋が区切られている。これは、当然ながら、放送局毎に実況の方法が違う事と、他局の音声ができるだけ実況マイクに入らないにしてる加減があるのだが、まぁ…デカ声で実況するアナウンサーですから、競馬場の施設の加減や並び位置の都合で、他局の実況音声が聞こえてしまう事があるw(以前解説したかと思うが、凱旋門賞の実況音声で、藤田アナが実況してる裏で、蜂谷アナの声がうっすらと聞こえたという事例は、まさにコレw)では、実際の放送席の並びは、どうなってるのか
中央のドコの競馬場であっても、ゴール板に一番近いトコに放送席があるのは、ラジオNIKKEIである。これは、JRAの“公式実況”を請け負っている関係で、元々は、JRAの実況を専門とする職員が使う区分として割り当てられている場所である。つまり、本来であれば、ラジオ局の席は、ゴール板よりかなり離れた位置にあるハズなのに、ラジニケの場合は、その実況がそのまま場内、あるいはWINS館内に流れるため、より正確な実況が求められる事になる。その観点から、ラジニケの放送席は、他局よりも“特等席”といえる場所にある訳である。で、次に大概の場合、テレビ局の放送席になる訳だが…競馬場によっては、テレビとラジオの放送席が入れ替わってたり、ゴチャまぜになってるトコがあるw これは、競馬場がある地域の放送局の加減もあり、中継を行う放送局が少ないと、その分、座席も減る訳である。しかし、レースの格や放送局の都合で、いろいろ変動があるため、実際は無駄になってる放送ブースがある訳で、逆にその“無駄”を省いた結果、新規に競馬中継を行う際に“ブースがない”という事で、急遽、新聞記者席の一部を改装して、放送席にし直すという事態になる事もある。実は、阪神競馬場の放送席で、一番辺鄙なトコに、OBCとABCの放送席があるのだが、これはスタンド改築当初、存在しなかったトコで、90年代前半…いわゆる“オグリブーム”にあやかる様に競馬実況をやる様になった関係で、新聞記者席を挟んでゴール板より遠い位置に、席を置かざる得なくなった訳である。(ちなみに、MBSは元から新聞記者席寄りのゴール板近くに、放送ブースがある。)ついでにいえば、NHKの放送席は、原則としてテレビ局とラジオ局の間に存在するのだが、基本的にはGⅠ開催時しか中継しないんで、普段は空席状態である。但し、2年前の福島でのイベントの様に、特殊な事情がある場合、この“空室”が利用される事もある。
オイラが阪神競馬場の放送席(ラジニケとKTV)に入ったのは、今から10年以上前の話。(もちろん、イベントの一環で、業務エリア見学の抽選に当たったからなんだが…)その経験から言わせると、阪神の場合、スタンドが小さい事と指定席エリアでも馬券売り場が非常に混雑する事もあって、関係者専用の窓口が設置されている事を覚えている。(ちなみに京都競馬場には、専用窓口がないんで、競馬記者のほとんどが、馬券購入は取材のついでを装って、A指定席エリアや馬主席付近の窓口で買うw)また、なんでKTVの競馬中継にラジニケの実況アナが映り込むかと言えば、通常だと、放送ブースが隣同士になってるからである。この関係で、タマにキャプチャ画像でラジニケの実況アナが準備をやってたり、フジの中継の様子を覗き込んでるというヘンテコリンな絵面がうpされる訳であるw あ、ちなみに、各放送ブースは、テレビ・ラジオの区別なくすべて均一な部屋割りでして、ラジニケやMBSなどのラジオ局なら中継スタッフの控室的な利用ができるスペースも、テレ東やKBS京都、FNS系のテレビ局の場合、簡易のスタジオとして使うため、放送機材で部屋が凄まじく狭い。とはいえ、午後からの放送であるから、また、放送日が土曜、または日曜のみなので、休憩とかは結構融通が利くので、どうにかなる様ですが…余談だが、中継を行う事を踏まえて、テレビの場合は、カメラや照明機材、マイク以外のセットは、そのままにしてある。つまり、番組改編などでデザインが変更になるまでは、ほぼそのままである。(放送機材は、中継の度に大型中継車に積んで、1R開始前までにスタンドに運ばれ、最終R終了まで、撤収作業をしない訳である。) 対して、ラジオの場合は、開催中なら機材は丸ごと、放送ブース内に置きっ放しである。故に、開催前日に回線チェックを兼ねた設営が行われ、最終日で、しかも開催が別の場所で行われる場合は、放送終了後に撤収を行う訳である。