迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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競馬と鉄道の話:駅舎編

競馬場の最寄駅には、他の駅とは違う“競馬場がある駅”故の特徴がある。例えば、JR武蔵野線船橋法典駅。ここには、中山競馬場へ向かう専用の地下通路があり、競馬開催時以外の利用ができない様になっている。(実際に中山に行った事があるならご存知かと思うが、専用改札を抜けると、直接、内馬場に入れる様になっている。)これは、開催時の混雑を少しでも緩和する為の措置であり、周辺道路の渋滞や交通事故防止の為に、中山競馬場JR東日本が協議して設置してる訳である。
以前にも解説したが、鉄火場と公共交通機関が、周辺の交通事情を改善しようと整備する事はよくある話で、その為の助成金を、主催者が鉄道会社に出資する訳である。特に鉄道会社の場合、駅舎の改築や沿線道路との立体交差等の費用を捻出するには、新型車両を導入する以上に難しい事が多い。そこで、普通の鉄道会社なら、沿線の自治体と国交省に費用の負担を呼びかけるのだが、中央競馬の場合、競馬場および関連施設の周辺整備の費用として助成する事が義務になってるトコがあって、収益の一部がそういった周辺地域の整備費用として計上される訳である。故に、中央の競馬場がある私鉄沿線は、地元自治体と協議した上で、競馬関係者やファンに対して、そして周辺住民の利便性を考慮した駅舎になる事が多い。特に、駅直結で競馬場に入場できる…という点では、小倉競馬場北九州モノレール競馬場前駅の構造は、その典型と言っていい。(詳しくはコチラ…http://ch.nicovideo.jp/strayhorse_caller/blomaga/ar531526)この駅は、競馬場と反対側に自動車運転免許の試験場と大学、陸自の小倉駐屯地、少年鑑別所を併設した医療刑務所がある。改札口は一つだが、通常は競馬場側の出入口は封鎖されている。しかし、免許の更新や通勤・通学、鑑別所での面会等で利用する人もある為、競馬場と反対側の出入口は、モノレールが運行してる限り常に開いている。この他にも、同じ理由で競馬ファン以外で当地に用事がある、あるいは周辺に住居がある駅利用者の為に、駅の構造が競馬関係者と住民という区分けの下で、出入口や改札が2カ所以上ある駅がある。ただ…競馬に特化した駅も存在していて、京王電鉄競馬場線府中競馬正門前は、路線からし東京競馬場利用者に特化した駅と言っていい。そもそもは東府中駅府中駅で充分だったハズが、競馬ファンの増加や、周辺住民のマナーレスな競馬ファンに対する苦情が多かった事を受けて、普段は利用の少ない“盲腸線”を開設した訳である。近年では、それを逆手に映画やドラマ、CMでの通勤電車のシーンや電車待ちのシーンを撮影する“定番”として活用されているから、あながち“無駄”とは言えなくなっている訳で…w

同じ理屈は、運行ダイヤにも言えてる訳だが、この話は、また次回…