迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

競馬記者としての実況アナ…

根幹的な話になるが、競馬実況を行うアナウンサーは、中央競馬の場合は、報道関係者として扱われる。その証拠として、東京競馬記者クラブ(2014年1月8日訂正)、または関西競馬記者クラブ等の“バッジ(記者証)”を胸元や目につきやすいところに付ける事が義務付けられている。他のスポーツを実況するアナウンサーも、一応、取材陣である事を示す記者証を付けているから、当たり前の話なのだが、それはあくまで、報道機関…放送局に在籍しているからこその話であって、フリーランスは原則、放送局の方で主催者の許可を取って臨時のパスで出入りしてるのが殆どである。但し、一部のフリー…というよりも、定年後も競馬中継に携わるアナ達の中には、特例として、記者クラブの会友扱いで、バッジを持っている人もいる。年に一度発表されるJRA賞の記者投票の詳細データを見た事がある人ならわかるかと思うが、各新聞社の記者や放送局のアナ達に混じって、“会友”として名前を連ねている人がいるのは御存知かと思う。つまり、一線を退いてもなお、競馬記者として活動する為に、特別に認められた存在として、そこにいる訳である。つまり、競馬実況アナのスーツの胸元にあるバッジは、競馬の“報道記者”として認められた存在であり、それを付けている限り、中央の競馬場およびトレセンへの立ち入りが、事実上許可された者として扱われるのである。去年の福島で行われた実況マスターズ参加者は、競馬記者クラブ“会友”という扱いなので、その胸元には記者証のバッジを付けてました。
さて、このバッジには、いくつかの決まり事があって、その中でも注目すべきは、バッジの“色”です。イラストの襟元にご注目ください。(ちなみに、このイラストはニコ静でもご覧いただけます…http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im2058484)

この色によって、その記者が“どういう者”なのかを判別する基準になってます。デザインは偽造防止の関係で、数年に一度、変更になる事があります(イラストのは随分前のデザインw)が、色に関しての変更は殆ど行われないため、色さえ見ておけば、アナウンサー(放送局在籍)か否かを判別できます。基本的に、専門紙(ブックとか優馬とか…)は赤(てか、えんじ色)、一般紙(ここで言うならスポーツ紙、もちろん、普通の新聞社のもあるが…)は緑、そして、放送局(アナウンサー)は黄色が目印になります。つまり、胸元のバッジの色が黄色であるなら、ほぼ、放送局に在籍している関係者と見て間違いないです。
当然ですが、このバッジを忘れると、取材どころか、競馬場、およびトレセンへの入場はできません。だから、ローカル開催の時であっても、スーツ以外の服を着てる時でも、必ず係員に提示できる様に、着用してる衣服のポケットに忍ばせていて、必要に応じて取り出せる様にしてるのです。当然ですが、トレセンGⅠ調教公開のイベントで、案内役をする白川アナや蜂谷アナでも、(実況マスターズ参加者ですから当然ですが…)スーツの胸元には、バッジが見え隠れしてます。(いやね…蜂谷アナの場合、襟元じゃなくて胸ポケットに突っ込んでるからw)

しかし…地方競馬の場合は事情が違います。というのも、扱い上が契約職員である事が多いからです。つまり、同じ競馬実況アナといえど、地方競馬の実況アナは、放送局に在籍してる訳ではありませんから、実質はタレントと変わりがないのです。だけど、競馬場での場内実況を担当する職員として、各所属事務所から派遣されているので、ある意味では公務員や事業者と同等の扱いを受けます。その加減で、厩舎関係者や騎手と付合う事も多いので、吉田アナみたいに“揺り籠から墓場まで”的な付き合いになる人も多いのです。(特に岩田康成騎手がGⅠ勝つ度に園田競馬場でドンチャン騒ぎになるのは、ここんトコの都合w)
その為、同じ競馬実況アナといえど、地方競馬の実況アナが中央競馬の実況ができないのは、記者クラブの登録がない存在である為であり、また、中継を行う放送局と契約を行っていない以上は、記者席があるゴンドラ席へ入場する事すら許されないのであり、同じ理屈は、地方競馬へ実況中継を行いたくても、競馬記者クラブのバッジを振りかざしても、主催者が認めない以上、公式の放送席に入る事はできないのです。ですから、特別なイベントや放送局の中継でのゲストとして呼ばない限り、双方の競馬実況アナが交流する事もなければ、場内に実況が流れる事もないのです。もっとも、中央の場合はラジニケ以外の競馬実況アナが、公式実況として採用される事は稀ですし、過去の音源や映像がラジニケに残っていなくて、KTVMBSが代替で音源を提供する場合でも、一定の断りが入るのは、当然の話なのですが…