迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

臨時投稿:若年ドライバーの暴走は、何故起こるのか?

本来なら、本家Blog“迷馬の隠れ家”でじっくりやる内容なのだが、今週…てか、26日まで、某スキーバカと菫華の君(の亡霊?)に乗っ取られている(?!)為、臨時でこっちに投稿。(23時頃のヤツは、通常通りにうpするので、ご安心をw)タイトル通り、今回は昨日発生した交通事故に関する話。
( >宮<)、;'.・ ィクシッ ( >審<)、;'.・ ィクシッ

若年層…特に、普通乗用車免許が取得可能になる18歳から20歳頃のドライバーにとって、自分のクルマを手に入れ、あるいはレンタカーで、峠を攻めたり、高速道路でスピードを求めるのは、ある意味、性(さが)みたいなトコである。オイラも短大入学後、誕生日過ぎてから免許を取得し、当時オトンが乗ってたタウンエースワゴン(ノアに統一される以前に存在してたのよ、普通乗用5ナンバーワゴンが…)に単独で乗って、名阪国道を攻めたモノですw(ちなみに、大阪人よりも奈良県民の方が、高速道デビューがここって人多いんだよなぁ…一応、あそこは“一般国道”なんだがw京奈和の無料区間はともかく…)しかし、経験上から言わせてもらうと、免許取得後早々に、カスタマイズしたスポーツカーを運転するのは、正直、自殺行為に等しいです。というのも、運転技術以前の問題として、クルマの基本的な性能を試さずに、いきなり高速仕様、あるいは峠ラリー仕様のクルマに乗るのは、オーバースペックもいいトコで、両親、あるいは所有者と共有で乗ってるのであればともかく、そうでないなら、技術がない分、クルマの性能やパワーに振り回されます。つまり、大した経験や技能もないのに、危険回避の為の“ドリフト”とか、路上の落下物を避ける為の“ジャンプ”とか、それをやろうとする方が本来おかしい訳であって、通常、事故を回避する為にブレーキを踏むのが普通だし、ましてマニュアル車(クラッチ操作する方。最近のスポーツ車は、オートマ車やパドルシフト方式のセミオートマが主流になりつつあるが…)であれば、クラッチを切るのと同時にサイドブレーキで緊急停車もできたハズなのに、それをしなかったという事は、そういう系統のアクションが描かれたマンガの読み過ぎである。(どの作品とは言わんが、それを列車でやったら、JR北海道がエラい目に遭うってw)
ともかく、テレビやマンガで紹介されるドライブテクニックの殆どは、実際にできるモノだと勘違いされがちだが、鈴鹿や富士DW、または公式なラリーレースでの走行でならともかく、一般道や高速道でやると、危険極まりないし、しかも、中央道笹子トンネルの崩落事故みたいな“緊急事態”以外でやると、真っ先に警察の高速機動隊にしょっぴかれるw(ええ…10年程前に、関空連絡橋手前で、軽四で、5km/hの速度超過でヤラれましたよ、マジで…)つまり、ああいうテクニックに憧れるのであれば、それ相応の資格…サーキットレースなら、レース用のライセンスを取得するのが先であって、その為の練習は、そういった練習場があるなら、そこで走るのが普通である。もっと言えば、普通の免許持ちが粋がって、しかも公道で、ドリフトや肩輪走行、ジャンプを駆使して走る事程、他者を巻き込む程の危険な行為だ。まず、軽四やリッターカー(排気量1,000ccクラス)は、タイヤそのものがそういう走行に適していない。もちろん、インチアップやスポーツ用へのカスタマイズが可能な車種もあるんで一概には言えないが、基本的に、主婦の買い出し用の車両という割り切った考えのモノが殆どの為、エンジンそのものも非力だし、タイヤもノーマルだと細いんで、カーブで速度超過すると、簡単に転んでしまう。(ちなみに、オイラが今乗ってる軽四は、購入時に、最初からタイヤを峠仕様にしてるw)もちろん、3ナンバー車といえど、ワンボックスワゴン系は、意外にタイヤが細い事もあって、高速走行中にふらつく事がある。もちろん、それは走行中の風による影響もあるが、そもそも、高速走行に適していない車体だから、カスタマイズする際に、ブレーキ系統をイジるだけでなく、タイヤ幅をワザと太くする必要がある。スポーツカーの場合、高出力エンジンを搭載してる車種はもちろん、車体に似合わない程非力なエンジンを積んでいるクルマであっても、空気抵抗を考えて作ってあるから、軽四に比べたら、普通に走らせてもそこそこの速度が出る。まして、ハイブリッド車は燃費も良いが、加速も結構良いのがあるんで、下手にイジらなくても、充分楽しめる。それを踏まえた上で考えると、暴走行為を行いたいドライバーの殆どが、オーバースペックなスポーツカーに乗りたがるのは、その車体デザインとエンジン、そしてタイヤが、いかにも“乗りやすそう”に見えるからである。
だが…身の丈に合わないクルマは、却って運転しにくい“クセ者”であり、まして、スポーツタイプの車体は、前方がワゴン車やトラックとは別の意味で見えにくい。まして、市街地でのドリフトは、人込みの間を縫って走るスケートボードや、歩道を走るピストバイクと一緒で、自分の身を守る為の行動が、却って他者を巻き込みやすくなる。軽四でも、速度超過で人混みに飛び込めばどうなるか…去年の亀岡の事故や祇園での癲癇(てんかん)発作からの暴走事故でも
お解りの通り、コントロールを失った状態のスピードは、大量殺戮にはうってつけである。
最近のクルマは、急発進防止や障害物検知センサーによる自動ブレーキ機能が備わっている車種が増えたが、暴走ドライバー程、実はこの機能を外したがる。というのも、そういった制御機能(というより、事故防止の保安機能)が“邪魔”だと感じてるからだ。そう、彼等は高速走行に“腕がある”と勘違いしてるからであり、ドリフト走行するレースドライバーは、余程でない限り、公道でレースの様な走行をしない。なぜなら、サーキットやラリーコースは、レース車以外のクルマが入ってくる事がないからこそであって、峠道といえど、国道…いや“酷道”308号線や非名阪のグラベル区間は、道路幅や交通量を考えても、そんな無謀な走り方をすれば、確実に事故る。オイラがよく走る国道310号線も、大型車が走らないだけで、阪奈間にある峠を通る国道としては交通量がそこそこある方で、そんなトコで某マンガの様な走りをすれば、どうなるかぐらいは、ヘタれドライバーなオイラでも想像がつく…

しかし、若いからこそ、そういうトコを走りたがる訳であり、そこへ行くのが遠過ぎるから、あるいは、普通に走っても面白くないと感じるから、市街地の急カーブを見つけては、無謀なドリフトを試したくなる訳であり、週末の湾岸エリアみたいに、交通量が少なく、しかも直線が長いなら、アクセルをフルで入れたくなる…残念ながら、日本には、そういう欲求を満たせる、本格的なモータースポーツを安価で楽しめる場所がない。その影響も、この事故の背景にある。被害者も当然だが、被疑者自身も、別の意味で不幸な存在である。