迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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実況アナの“適正距離”とは?

今回は、奇をてらって、実況アナそれぞれにある“クセ”について…特に、距離別での話。

かつて、ラジニケの大阪支社と言えば、距離別適性に分かれてるとも謂われる程、担当する距離によって、得手・不得手がハッキリと実況にも表れていました。それは何故かと言えば、担当するGⅠの回数に、かなりの偏りがあった為です。ま、そこんトコは、後々藤田アナの話でやるとして、これは、他の放送局の実況アナにも言えた話で、ベテランだから長距離がとか、若手だから短距離が…って話ではないのです。あくまで、リスナーの感覚的なモノでもありますが、中には、自分の実況における“距離適性”を自覚されている方もいらっしゃいます。ただ…だからと言って、その固定概念が原因で、実況がヘタレになったり、聞いててイライラするのは、勝手論とも言える訳で、そこんトコは、自己責任でw
では、その距離適性は、どこで決まるのかと言えば…担当する実況の“回数”です。つまり、ローテーションや開催競馬場でのプログラムの加減もありますが、基本的に、どれくらい実況担当があって、その中で、どの距離が多いかを考えていきます。特に一番わかりやすいのは、GⅠ競走での担当回数…ラジニケのアナ達の場合、昨今の競走編成がマイル路線に偏重してる事もあってわかり辛いですが、実は、同じマイル戦と言っても、東京開催と阪神開催では、若干の違いがあって、東京の場合、忙しない感じがないのです。つまり、コース形態が広々としている事、そしてカーブが急でないからこそ、そう感じる訳です。逆に言えば、阪神の、しかもコース改修以前のマイル戦は、スタート時から忙しない状況になるのがデフォルトで、現行コースよりも、多頭数でごちゃつく状況を、瞬時に捌く技術が要求されました。その為、同じマイル戦と言っても、その感覚は、まったくの“別モノ”でした。これを器用に実況し分けるのは、ある意味至難の業とも言える訳で、阪神のマイル戦を落ち着いて実況できるアナは、東京や中山では、マイル以下の短距離での実況で実力を発揮できる…とも言えた訳ですが、現在ではコース改修の影響もあって、その様子は変わりつつあります。逆に、新潟に短距離専用の直線コースが設けられた事により、短距離を得手とする実況アナのスキルに、この直線走路での器用さが要求される様になって来てます。(と言っても、関西の競馬実況アナに、新潟での実況を経験する人は稀なので、基本的に、ラジニケの連中“限定”なトコなんだがw)
で、長距離に適した実況アナには、実はもうひとつのスキル…障害戦での実況での安定感もプラスされます。お気付きかと思うが、障害戦は最低でも2000m以上の距離が設定されていて、しかも、コース形状によっては通常とは逆方向になるケースもある為、実は実況が一番難しいのです。つまり、これを上手くこなせる実況アナは、どのコースでも戸惑う事無く、しかも正確な実況ができるとも言える訳です。

では、実例を挙げて…としたいトコですが、そこんトコは、紹介するアナ達の項目で紹介するとして、基本的に、実況アナが異口同音に言ってるのは、短距離よりも長距離のレースの方が、落ち着いて実況しやすいという事。つまり、短距離〜マイル戦は、相当な技術と集中力が必要な実況だという事です。同じ事は、相撲の実況でもそうで、テレビの中継ならともかく、ラジオでやるとなると、瞬殺の刹那を言葉にする為に、一瞬の油断も許されないという事です。逆に言えば、プロ野球の実況は、競馬実況に比べれば、比較的ラクなんだとかw とはいえ、競馬実況に従事してるあまりに、他のスポーツでの実況で競馬感覚で実況してしまう事もしばしばあるのだとか。それが原因で、競馬以外のスポーツ中継から外されたベテランアナが多い訳でして…