迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

グリーンチャンネルの“本分”とは…

競馬ファンであるなら、すっかりおなじみの衛星放送、グリーンチャンネル。2013年末で、CSでの通常放送を終了し、完全にBSとCSハイビジョンへ移行する事が、公式でも発表されている。(http://www.gch.jrao.ne.jp/watching/201301_kokuchi.html)
そもそも、この衛星放送局は、開局当時は平日昼間は農業関係者…特に畜産業中心の情報を発信する“アグリネット”と、夜と土日は競馬関連番組を放送する“レースネット”という二階建て構造のプログラムだった。現在では、競馬ファンお布施…もとい、視聴契約数が増えた事もあり、海外ドラマを含めた競馬関連番組が主体となったが、本来は、農業関係者に対しての情報提供がメインであり、競馬はあくまで“オマケ”なトコがあった。
オイラは、実家にいた頃はCATVのオプションとして加入してて、仕事が休みで、尚かつ家族がいない時は、一日中見ていた。ま、それがきっかけで農家に嫁いだ様なモンなんだが…w
休話閑題、通常の人が見るには、非常に退屈、且つ、農家やってないと意味不明な言葉が出てくる為、モノ好きでないと見てらんない内容の番組しか、やっていなかった。それもそのハズ、正式名称が財団法人競馬・農林水産情報衛星通信機構で、一般名称が“グリーンチャンネル”な訳である。つまり、本来の役割でいえば、農業や林業、そして漁業関係者に対して、気象情報や市場価格の推移、新しい技術や新品種に関する情報を提供するのがスジであって、競馬中継は、あくまで“畜産業の情報”扱いなのである。特に、馬産地が集中する北海道・日高地方の飲食店や公共の施設では、有無も言わさずグリーンチャンネルを放映するのは日常茶飯事で、実際にオイラも、地元の食堂で、馬券を買ってもいないのに競馬中継にアツくなる農家の人々を見た事がある。(ま、生産牧場ですから、レースの結果は、死活問題にも直結してる訳ですが…)
その様相が変わってきたのは、CSでのハイビジョン放送を始める頃からで、その先駆けとして、海外ドラマの特別放送(確か、競馬関連のサスペンスドラマ)を正月に一挙放送を行い、その後、現在放映中の“ハートランド物語”という、牧場での青春群像ドラマの放映に繋がる。(実はなにげに、義父がハマってたりするw)更に、岡部幸雄騎手が現役引退後、日本の馬事文化を伝える番組が作られる様になると、その放送の舵取りは、一気に競馬・馬事文化中心の番組が主体となっていった訳である。これで割りを喰ったのは、アグリネット枠で放送されていた農林水産業対象の情報番組で、いつしかアグリネットそのものが“消滅”する事になる。とはいえ、実際は、一部の番組は現在も存続していて、特に、畜産関係の番組は、月曜と火曜に集中して放送されている。で、畜産の一環として、実は犬のブリーダー向け番組を、月に一度だけ放送してたりするw(JKCジャパンケネルクラブステマみたいな番組なんだが…)

最近ではBS11地方競馬専門のチャンネルも登場する様になった訳だが、競馬専門を謳い文句にしてきたグリーンチャンネルは、その“老舗”としての存在意義がある。だけど、本来の役割を考えれば、競馬ファンにシフトし過ぎて、むしろ農林水産業の関係者を蔑ろにし過ぎてはいないか?特に、30分延々と放送していた気象情報は、真面目な話、一番貴重な情報だったのに、それをやめてしまった事が惜しまれる。