迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

かつて取材を口実に…w

今でこそ、交通機関の発達で、開催日当日の早朝に新幹線で向かえば…なんて事も可能な夏場のローカル競馬。もちろん、北海道での開催は、前日から飛行機で…ってのが今でも普通だが、現在の様に鉄道網…特に新幹線がなかった頃は、夏場のローカル開催時は、取材スタッフや機材は、現地での滞在がデフォルトでした…というのも、現在の様に地元局で競馬中継を放送する場合はともかく、昔は、中継をする放送局自身が少なかった事もあって、また、夏競馬は、競馬関係者も厩舎ごと該当競馬場周辺に滞在する事が多かった為、取材をするにしても、トレセンにはまったく人がいない事もしばしばあり、その関係で、多くのスタッフが長期間、新潟や福島、小倉に滞在するのが普通でした。それ故に、夏競馬は持せずして、競馬実況アナ達も、いろんな意味で“バカンス”を楽しんでたりする訳ですw

とはいえ、何で中央競馬が夏の間、都心部ではなく九州や東北、北海道で開催を行うのかと言えば、ひとつは馬産地での開催…つまり、2歳新馬を“産地直送”で出走しやすくするためである事と、地方都市といえど、競馬を含めた公営ギャンブルの需要が見込めた地域である事が、重要になってくるのです。以前、本家のBlogの方でも解説した事ですが、公営ギャンブルが廃止になった地域は、その殆どが主幹産業の衰退による収益の減少に歯止めが掛からなかった事が原因になっています。これは、中学生ぐらいの地理学用地図をよく見ていけばわかる事ですが、廃止になった競馬場には、いくつかの共通点があります。それは、主幹産業が鉱石採掘…主に石炭や鉄鉱石・銅の鉱山だったり、鉱石の製錬場や化学コンビナートが点在する工業地帯である事が挙げられます。特に北九州や山口に、俗にいわれる“三競オート”が集中するのは、その“証拠”ともいえる訳です。事実、中津や荒尾が廃止になった経緯は、その周辺の炭坑が閉山し、それに伴う人口流出、および就職率の低下が、競馬ファンを激減させたと言っても良いのであり、今年(2013年)廃止になった福山も、近隣コンビナートが円高不況による操業停止や、企業の海外進出に伴う事業所の閉鎖が尾を引いたのがすべて…と言ったトコでしょう。(収益面のみで言うなら、高知の経営難は、遠洋での捕鯨が国際的に禁止になった事による弊害ですが…)
脱線ついでに、中央競馬が主要な地方都市に開催がある背景は、中央競馬農林水産省の外郭団体である事が、一番のポイントになります…つまり、法律上では一般的なレジャー企業ですが、実質は国直轄の公営ギャンブルでありますから、都道府県レベルの公営ギャンブルとは、完全に別格扱いになる訳です。これが顕著なのが、福島県民の中央競馬に対するイレ込み具合であり、官民が一体になって、今日まで中央競馬の開催を支えている…という訳です。この熱の入れ様からして、双相地区の相馬野馬追に対する接し方や扱い方が、如何程の事かは、他県民には理解し難くても、馬好きにとって羨ましい程の話と言えるのではないでしょうか。当然ながら、小倉や新潟も、その周辺地域の産業が盛んである事と、時期的に帰省ラッシュ時と開催日程が重なれば、その収益は絶大で、故に夏場でも収益確保と、GⅠ戦線には届かない馬達の“鍛錬の場”としての役目、そして新馬潜在的能力を見計らう場としての競馬が、夏場に繰り広げられる訳です。
という事は、必然的に競馬記者はその取材と、ついでに夏期休暇の消化を兼ねて、各競馬場や北海道へ出張する訳でして、そのついでに、開催日の隙間を突いて、夏を楽しむ為に、あちこち出掛けるのもいまして、小倉や北海道で滞在中に釣りを楽しむ太公望や、出張の帰りをフェリーや寝台列車などに振り返る“乗り鉄”“乗り船”、中にはすすきのや天神まで足を伸ばしての“盛り場鬼ごっこ”をやらかすバカもいますw ま、ここではそういう風俗系のネタは差控えさせてもらうが、最近では、パ・リーグの本拠地が地方にも点在する様になった事を受けて、競馬での出張を口実に、現地でプロ野球観戦をする人もいます。もちろん、サッカー好きなら、各地のFC巡りなんてのも、夏場のひとつの楽しみになってる方もいらっしゃる様ですが…