迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

オジュウチョウサンから見る、経済効果にまつわる話。




この写真は、先週の阪神スプリングジャンプのレース終盤、ジャンプの“絶対王者オジュウチョウサンが、終始先行してたタイセイドリームを交わして突き抜ける瞬間である。(ええ、現地まで行って、手持ちのiPhone8で撮影し、画像縮尺のために、フォトショでトリミング処理しましたよw)土曜の8レース目とあって、入場者数こそ15000人程度でしたが、このレースだけで、前年比の1.5倍の10億近い売上があったそうで、レース後はターフィーショップのオジュウチョウサングッズ特設コーナーが、黒山の人集りになってたのはお察しの通りw

さて、ここからが本題…20年ほど前に杉本アナが、自身のラジオ番組で話してたこととして、競馬が一番盛り上がるのは、主役となるモノがその場にいて、期待通りの結果になることが絶対条件だと持論を展開してたが、まさしくその通りである…但し、そのためには、必要最低限の“話題性”が不可欠であり、本来、オジュウチョウサンが本当に“話題性ある存在”であるなら、当日の阪神競馬場は、もっと混み合ってないと“おかしい”のであって、オイラからすれば入場人員が2万人を超えていない時点で“普段の土曜日”にしか思えなかった訳であり、これが中山グランドジャンプ当日の中山競馬場で、かつ、オジュウチョウサンのライバルであるアップトゥデイトニホンピロバロン等の有力どころが集結してたなら、土曜日であっても入場人員は通常より2〜3倍は見込める。今回は“ホーム”ともいえるジャンプレースで、しかもめぼしい“相手”もいないことを踏まえると、“話題性”がイマイチながらも、そこそこの経済効果があったことはいうまでもない。むしろ、去年の福島で、久々の平地出走となった開成山特別が“異常”だった訳であり、当然だが、鞍上がジャンプの相棒である石神深一騎手ではなく、武豊騎手だった事も含まれた結果である…

つまり、“話題性”という部分では、単に“久々のジャンプ”だけでは乏しい訳であり、また、舞台が阪神競馬場だったという時点で、キャパ的にはスカスカ感があったのは仕方ない部分であり、しかし、馬券の売上やグッズ販売が盛況なことを踏まえると、そこそこ“集客力がある存在”として見做しても憚りはないということになる。逆を言えば、いくら主催者が盛大に広告を打ったとしても、ファンが興醒めしてると意味がないのであって、どういう魅力があるかを見極めた上での広報活動が重要な訳である。

したがって、写真撮影や実際のレースっぷりを生鑑賞したいのであれば、こういう日を狙って行くのが“通の嗜み”と踏まえた上で、単に盛り上がるであろうGⅠレースのみに執着するのは、ある意味で“祭競馬”を楽しんでるのと同じだと考えて良いかと思う。もちろん、競馬の楽しみ方として、話題に乗るのも一つの方法だし、批判する必要もない…ただ、本当に話題性があるという理由のみで行ったとしても“楽しい”とは限らないし、別の楽しみを見つけられると、興味はそっちに向くだけで、それがいいかどうかってのは、現場に訪れた人それぞれの判断だ。オジュウチョウサンに限らず、藤田菜七子騎手や、場内イベントに登場するゲストの知名度や人気によっても、そこの部分は変化するが、その先…すなわち“病的競馬ファン”になるか否かは別の話である。ま、ギャンブル依存症になる人の多くは、本家でも散々解説したが、勝ち負けではなく、単に“生きる意味”を求めるうちに迷った姿であって、堕落してる事が“ラク”だから沼ってるだけで、本質的にギャンブル(勝負事)そのものには“飽きてる”訳で…