迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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勘違いからのミスでも、厳罰になる“理由”って?

先週土曜の新潟競馬6Rで、山田敬士騎手がレース施行距離を間違えて、即時の“騎乗停止”となった訳だが、しょうもないポカミスに思える行為でも、日本の競馬施行規約において、厳罰に処せられる場合も多々ある。しかし、その裏には、公正な競馬開催という大義名分があり、そのために時として、偶発的なモノや不可抗力的なモノであっても、当該者(馬も含む)に対して、なぜか罰則を科すケースが出る訳である。

その背景にあるのは、いかなる競技であっても付きまとってしまう根本的な問題…ドーピングも含めた八百長行為に対する警戒から、どうしても当事者を罰せざる得ない訳であり、“真犯人”に対して“被害者”を人身御供で炙り出すという意味合いも、そこにはある。つまり、“被害者”自身も八百長行為に加担してる疑いがある為、それに対して身の潔白を証明する機会があっても無視されるのは、日本人固有の“冤罪でも処分”という感覚から来てるトコがある。

逆を言えば、ルールに従い、大人しく処罰を受けてれば、疚しい行為が他に散見されても、当該事案と無関係なら“お咎めナシ”になる訳で、特に日本の基幹六法の一つである刑法に抵触してないなら、騎手免許が剥奪される事自体稀であって、大概は過怠金と期限付き騎乗停止で事が収まる訳である。故に、レース中の進路妨害も、馬のクセによる不可抗力であった場合でも“御せない騎手が悪い”として罰せられる訳だが、あからさまに妨害する意図でやってると認められた場合、“公正な競技実行が不可能”という理由付で、事実上の“免許取消”になる場合もある。

また、ドーピングに関しても、疾患や怪我の治療等で、使わざる得なかった禁止薬物が体内に残っていないことを、獣医師立会の下で確認した上で調教師は、大一番に向けた計画を立てるのが重要なのであり、また、主催者組織であるJRAや各自治体の競馬組合は、飼料の安全確認を取る義務がある…岩手(盛岡・水沢)競馬や浦和競馬でドーピング騒動が発生した際にしろ、中央でも禁止薬物が混入した飼料が、なぜか検査パスして一部厩舎に納入された件でも、馬は“被害者”であって罰せられる対象ではないのに、事実上の“失格”になった上に、岩手競馬の場合は“全頭検査”という事で、一開催丸々中止になってしまった。混入経路などは不明と言えど、納入業者の記載したデータを鵜呑みにせず、抜き打ちで中身を検査するぐらいの厳しさが必要になっているし、また、納入業者も信用されてるからと胡座を掻かず、事故商品が納品されないよう細心の注意を払うべきである。

それでも、一部の人の不信感が拭えないから、結局は規定違反として“被害者”も処罰対象として取り扱わざる得ない訳であり、そこでの不服に対して、第三者委員会やスポーツ仲裁機関が意見を聞く場を設け、処分の軽減等に関する手続きを行う訳です。