迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

馬の輸送今昔物語w

ノブ(以下ノ):杉やん、そういう話はバラさんといてぇな…
カ:え…ノブさん、いきなりグチっすか?
ノ:いやな…今月、グリーンチャンネルで放送されとる“草野仁のGate.Jプラス”っちゅう番組のゲストが杉やんやねん。1月の“競馬書記”の時でもそうやったんやけど、どうも話がエキサイトすると、ボクに関することまで喋るさかい、ひやひやモンやねん…って、ちょ、始まってんやったら止めてぇなw
ヒデボー(以下ヒ):wwwwwwwwwwwww(大草原状態で床でローリング中…)
カ:ヒデボー、本番前に笑い過ぎ。
ヒ:いや、ゴメンゴメン…w ところで、今回のテーマは“馬の輸送”ってことだけど、今回も、この3人でやるってことは、色々とマニアックな話もあるってことか。
カ:ま、主に喋るのは多分、ボクだとは思うけどね…

ノ:では改めて…毎度、ノブさんやで。
カ:アロハ…カイルっす。
ヒ:チョリーッス、ヒデボーっす。
ノ:さて、今回の解説はズバリ、競走馬の輸送に関する話ってことやねんけど…
ヒ:陸路に関しては、現在は馬運車での輸送が一般的だし、海外輸送も航空機による空輸が主流っすよね。
ノ:せやな…基本的に家畜輸送、特に競走馬の場合は、馬運車を使って目的地までっちゅうのが一般的やさかい、そこの部分からやってこか?
カ:“現在は”って言い方をしてるってことは、昔は鉄道での陸送が一般的だったってことっすか?
ノ:まぁ…一番いいのは“経験者”に語ってもらう方がエエとは思うんやけど、オグりん以外の馬がこっちで喋るんは、結構誤解受けることもあるさかい、ボクの方で解説するわ。
ヒ:要はマスターが夏バテ気味で、3人以上の“召喚”がムズいってことっすねw
(ヒデボー…後でちょっと付き合ってくれるか?)
ガクガクブルブル*1え…遠慮しときます…
カ:(/宮`)=3毎度ながら、よく地雷踏むね、ヒデボーは。
ノ:本題入るで…現行の馬運車ってのは、結構ハイテクなのが主流で、内装は腐食に強く掃除しやすいステンレスで、馬体がぶつかりやすい部分にはウレタンマットで保護してあって、冷暖房も人間が乗るバス並みに完備されとんねん。一部には、馬の足元部分にパイプが這わしてあって、車内清掃時に水が出る様になっとって、床面に残った糞尿を除去できるのもあるんや。
カ:え、そんな風になってるんっすか。
ノ:せやでw んで、中央競馬の場合、競馬場とトレセン(又は地方他場)間の輸送に関しては、指定の運送会社による輸送が義務付けられとるんやけど、牧場間での輸送や牧場とトレセン間の輸送の場合は、特に決まりがないさかい、オーナーが運送会社を経営しとるんやったら“自家用車”で輸送ってのもアリなんや。
ヒ:自家用車って…w
ノ:ちなみに、“指定の運送会社”ってのは、JRAの方から委託を受けてるトコをさしとって、関西の競馬ファンでも有名なんは、鷹野運送と東海馬匹(ばびき)輸送、日通の三社やね。あと、日本馬匹もやったかな?
ヒ:ええ…日通って、馬も運ぶんっすか?
カ:日通の話をするのであれば、これは鉄道輸送の歴史にも掛かってくる部分っすね。
ノ:せやで。国鉄時代からの鉄道貨物輸送の委託先でもあるさかい、その名残と言うてもおかしくないねん。
カ:JRグループ国鉄だった頃…そうだな、昭和48年(1973年)までは、家畜用貨車による輸送の方が一般的だったっすからね。急激なモータリゼーション化と、高速国道の整備が進み、牧場から現場まで直送できる様になったことを受けて、家畜の鉄道輸送は廃止になったんだ。でも、日通の場合様々な貨物…それこそ、小さなネジから大型ロケットのエンジンまで搬送する運送会社なモノだから、競走馬を含む家畜の搬送用車両も保有しててもおかしくないって事っす。
ヒ:あ、なるほど…
カ:しかも、戦前には競走馬輸送“専用”編成が組まれ、他の貨物輸送と区別された格好での鉄道輸送も行われたんだ…ま、なにせ定期運行の列車につなぐと、どうしても貨車の離合で時間を割くことが多いから、ストレスがかかりやすいってこともあった様なんだけど…
ノ:正確に言うたら、他の家畜と違ごうて、競馬っちゅう“競技用”やから、輸送時のストレスによる体調変化に対し、即応できる体制やないと色々と難儀なさかい、そうせざる得んかったんやけどな。ただ、せやからこそ輸送時のコストがバカにならんかったさかい、戦後のモータリゼーション化によって、競走馬だけやのうて、一般的な家畜も“鮮度保持”という観点から、鉄道輸送をやめてもうたんや。
ヒ:なるほどねぇ…で、“ウマ娘”では普通にクルマや旅客機で移動してるシーンとかがあるけど、実際の競走馬を輸送する時ってギュウギュウ詰めでもイケるの?
ノ:アレは極端な例やけど、今の馬運車の最大積載量はサラブレッドで6頭までやけど、昔は8頭まで搭載可能なのもあったからなぁ…けど、大概は器材等も一緒に運搬する関係もあって、最大でも4頭までが関の山やね。けど、高額賞金を稼ぐ様なGⅠ馬となると、帯同馬ナシで馬運車に積み込むこともあるで。あのマンガの中では8人乗りのミニバン車で移動しとった様やけど、実際の馬に換算して輸送すると、馬運車3台は用意せんなアカンと思うで。それに、貨物便で輸送する場合、家畜用のカーゴコンテナってのがあるんやけど、日本の航空会社は貨物専用便を休止しとるさかい、海外遠征となると、日本に乗り入れてる海外の航空会社の貨物便での輸送にするか、通常の旅客航路に積み込む格好になりよるねん。ちなみに、ドバイ遠征する場合、日本の競走馬の多くは、関空発着のエミレーツ航空の定期便を利用するねん。
ヒ:え…羽田や成田じゃないんっすか?
ノ:一応、東京からの定期便もある様やけど、毎日就航しとるんは関空便やねん。
カ:JALとのコードシェア便も含めると、検疫設備とかの加減もあって、実績ある関空発着便の方が、利便性が高いってことっすね。
ヒ:あ、毎日運行してるってことは、変更が利くってことっすね。
ノ:せや。毎日運行しとるさかい、羽田や成田で搭乗できんでも、関空リカバリーできるんや。


カ:今回の解説は、いかがだったでしょうか。この話自体は以前、マスターの方でもやっていらっしゃった様ですが、今回は具体的な事案も含めて行いました。
ヒ:旅客航空機が世界中で就航する様になって以降、競走馬の国際間輸送は航空便での利用が増えた訳っすが、それ以前って、海上輸送が一般的でしたよね?
ノ:今でも、大量に輸送するんやったら、時間はかかるけど海上輸送の方が安上がりで便利なんやけど、狭い空間に詰め込まれての長時間輸送は、相当なストレスになるさかい、輸送時間の高速化は、様々なトコで課題となってる部分やねん。せやから、競走馬や馬術大会に参加する競技馬の検疫に関して、滞在期間が2ヶ月を超えない場合に限って、検疫の簡略化が進んでるねん…とは言え、一部の国と地域では、輸出入に制限がかかってるんやけど、これも防疫措置の関係であって、そこを疎かにしたらアカンから、馬運車も航空輸送用コンテナも、運送後は洗浄と消毒、殺菌が行われるんや。
カ:“安全輸送”の一端には、そういった衛生管理も含まれるため、昔に比べると、随分と厳格になった方なんですね。
ヒ:そういう意味では、競走馬がストレスフリーで輸送できる方法って、今でも開発途上ってことっすね。
ノ:せやな…ほな、今回はこの辺で。

*1:;゚秀゜