迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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競馬にも“働き方改革”をw

SNSルメール騎手に対する批判の呟きがあったのだが、元ネタの記事(トラップ注意w)を読んで、ふと思ったのは、昔は今みたいに公営競技が“年中無休”でやってなかった事を知らん人が多いってことと、むしろリーディング争いしてる上位20人が“夏休み”を取ってもいいんじゃね?って感じた。つまり、現行の“ブラック体質”な競技環境を改めるには、競技者の動向にいちいち目くじら立てて批判するよりも、息抜きする時間としての“休暇”を取得しやすい環境にすべきではないだろうか。騎手だけじゃなく、競馬記者もまた然りで、みんなが“休みやすい環境”にしていくことは、ひいては様々な部分で生活の質の向上や環境改善に貢献できるのではないかということだ。

先にチロっと言ったが、昔はいかなる公営競技も、夏季休暇や正月休みは慣例としてあった訳で、この件に関しては長岡アナの著書“いつも隣に競馬がいた”にも記述されてる箇所がある。つまり、期間的には短くても、労基法に照らした就労規定に、交代制といえども夏期休暇や年末年始の休暇は認められていて、当然ながら中央競馬も去年の改定までは、有馬記念が終わると東西の金杯までは、たとえ10日以上空いたとしても“開催しない”規定だった…それを破ることになったのは、地方競馬との交流競走が増えたことと、それに合わせた開催日程の“変更”が行われたからである。

欧米諸国では、今でも開催日程的に夏季休暇や冬季休暇が存在してる訳だが、昨今の競馬の世界で“年中無休”な状態になっている背景には、開催地域の“特性”そのものが関与している一面がある。そして、北半球だけではなく、南半球の国々でも国際交流競走が設定されているトコがあり、その“時差”を利用して騎手や競走馬が、ある意味で“民族大移動”状態で挑んでることがある。欧州の外国人騎手にしたら、冬場でも開催がある日本や香港は、まさしく賞金稼ぎの場であり、ドバイで競馬の開催があることは、馬にレース経験を積ませることと、飛行機による長距離輸送に慣れさせる上では重要であり、何より調教ができない期間が短くて済むことが、一番大きい訳である。故に、トップシーズンまでにコンディションを整えて出走させるために遠征する訳であり、ひいては日本馬が凱旋門賞に“勝てない”要因の一つにもなっている可能性がある。しかし、日本のように出走頭数やレース間隔や数がギチギチではなく、また、同じGⅠレースといえど、開催日を分散させずに、まとめて行うこともザラである。つまり、人も馬にも“無茶をさせない”ことに徹底しているからこそであり、日本よりもはるかに、競馬サークル内での“就労条件”は厚遇である。もちろん、地域差によるトコもあって一概にはいえないが、開催日程やレース間隔は、明らかにゆとりのある形態である。

つまり、社会全般化してる“就労環境のブラック化“の背景には、国際的な流れと、ファンの“多様化”に応じるあまりに、本来であれば守られるべきQOL(生活環境の質)が阻害されていくという状況であり、そして日本人の“休みは罪”という歪んだ感覚が、余計な僻みを生む訳である。故に、若年層の過労死や精神疾患からの離職が絶えない訳であり、低賃金で長時間労働を是とする経営者が“人材不足”を理由に廃業する訳である。そういう意味では、競馬関係者が1ヶ月近い“夏休み”を取ることに関して、寛大な気持ちで受け入れてやるべきではなかろうか?大体、毎週大金賭けてもオケラするのなら、それっくらい“馬券休み”したっていいんじゃねw