迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

カンテレ秘話…開局の裏に“逸翁”あり?!

ノブ(以下ノ):まいど、ノブさんやで。
カイル(以下カ):アローハ、カイルっす。
ノ:なんかけったいな組み合わせやなぁ…
カ:おそらく、マスターの意図から、ボクらで解説した方が解りやすい話じゃないか…って事じゃないかな。ノブさんの“生前さん”に絡む話っぽいし、タイトルからしてw
ノ:せやろか?けど…カイルが絡むっちゅうことは、鉄道ネタでもあるって事やな。
カ:それは…ノブさん自身が、一番よく解ってるんじゃないっすか?
ノ:ははーん…確かに、放送局の中で、かなり特異な話が存在するさかいなぁ、そこんトコの話をやれってことか。
カ:このブロマガでも散々取り上げた、競馬を題材にしたアニメに関する事で、今後発売されるBDBOXの特典映像に、なんでカンテレの現役アナが吹き替え実況をやっているかって話を解説するのに、ちょっとカンテレに関する“歴史”について、ノブさんの方から説明してくれませんか?
ノ:あ、なるほどな。それやったら話早いわ…って、その前に、なんやその“ウマ娘”って?
カ:(;ノ宮`)=3え…そこからっすか?
ヒデボー(以下ヒ):はいはい、そこんトコはボクが解説します。
ノ:なんや、ヒデボーは今回、関係あらへんやんか。
ヒ:競走馬を半擬人化した“ウマ娘”が繰り広げる、競馬を模した“トィンクルシリーズ”を展開する物語で、本来はスマホゲームの宣伝を兼ねたモノだったんですが、内容が内容なだけに、アニメ好きの競馬ファンが熱狂的になった、今年の春アニメ最強の“ダークホース”だったんっすよ。
カ:で、そのアニメの製作委員会に、東宝アニメの名前があったことと、地上波での放送が、首都圏が東京MXテレビだったのに対し、関西圏と佐賀県が、各々FNS系列であるカンテレとサガテレビだったんですよ。
ノ:あー、そういうことかw これは先に“東宝”に関して説明した方が早いな。
ヒ:え、なんでですか?
ノ:言葉の話になるけど、アレ、実は正確に言えば、“東京宝塚劇場”の略称であって、もっと平たぁ言うたら、阪急電鉄直営のエンタメ集団が宝塚歌劇団やねん。その“東京拠点”が、そもそもの始まりになるんや。
カ:え…ええ?!アレって…阪急の“直営”だったんっすか?
ノ:せやでw その証拠に、宝塚大劇場の管理人…タカラジェンヌ達からは“お父ちゃん”って呼ばれてる人は、元は阪急電鉄で駅長などを歴任したエリートが、代々着任しとんねん。
カ:それ、初耳っす…
ノ:これは、阪急の創立者である小林一三の経営手腕の一つで、鉄道事業の業務で、様々なマネジメント技能に長けた人に劇場の管理をやらせることで、若手をできるだけ早く現場で働かせるきっかけを作ると同時に、ベテラン勢が職場を占拠しすぎる事を防いどんねん。一見畑違いな業務に感じるけど、阪神甲子園駅の駅長が、凄腕の“スジ屋”やってのと同じ話で、交通インフラとアミューズメントの運営を一括でやっとる方式やねん。
カ:あ…そっか。甲子園駅の場合、甲子園球場での試合の展開によって、臨時ダイヤを独自で組んで輸送量を確保するって話に通じてるのか。
ヒ:で、宝塚歌劇以外のエンタメを拡充させるために創設されたんが“東宝”の始まりって訳っすね。
ノ:せや…元々は、タカラジェンヌが劇場以外で活躍するための“窓口”としての色合いが濃いんやけど、映画配給も手がけるようになって、現在に至るんが東宝グループの存在やねん。で、そのメディア戦略の要になっとんのが、実はカンテレが阪急の“子会社”って事実に基づくねん。
ヒ:え…あの話って、ガチっすか?!
カ:え、あ…あの、そこでエラく話が飛んだんですけど…
ノ:カイル、ここの部分、知りたかったんやろ?
カ:あ、はい…そうなんっすけど…
ノ:簡単に説明すると、カンテレが開局する60年ほど前に、テレビ放送免許にまつわる争奪戦があったんや。大阪のテレビ放送枠は、当時は6ch…現在のABCテレビが割り当てられ、その“紛争”でABCと現在のMBSが“呉越同舟”で作った大阪テレビっちゅう放送局が取得した際、敗塵を喫したのが現在のCRKやねん。ほんで、改めて8chが大阪に割り当てられた際、資金面での援助をやったんが阪急電鉄で、報道に関する協定を産経新聞社と交わし、KBS京都と合弁で開局に漕ぎ着けたんが、現在のカンテレに至る訳やねん。この時から阪急は、カンレテを子会社として扱うことで、様々なメディア戦略を展開していった訳やねん。せやから、昔はタカラヅカの劇場中継とかを放送したり、今のオリックスバファローズの前身である阪急ブレーブスの試合を中継したり、子供向けドラマの舞台が阪急沿線やったんは、そういうことやねん。
ヒ:余談だけど、大阪テレビが“空中分解”した際も、実はABCとMBSの仲裁役に入ったのが逸翁さんで、この時の“ジャンケン勝負”が、その明暗を分け、いわゆる“腸捻転ネット”の一因にもなってるって話っす。
カ:あ…だからか。JNN系列ではMBSが絡むことがあっても、JRN系としてはABCとズブズブっていう歴史があるのはw
ノ:話が逸れたさかい元に戻すと、持株会社としてのH2OHDとしては、阪急の連結子会社として東宝もカンテレもある訳で、故に東宝のアニメ部門が、アニメ制作に絡んだ場合、自ずとカンテレに対しても、なんらかの制作協力を依頼することがあるってこっちゃ。せやから、その“ウマ娘”っちゅうアニメのオマケ映像として、カンテレ在籍の競馬実況班が絡んどっても、なんの不思議もないって訳やねん。
ヒ:第1巻は若手の吉原功兼アナによる吹き替えが行われるという公式発表がありますが…SNS内での情報では、この後発売される分には、大物が登場するって噂が…
ノ:え、杉やんと馬場ちゃんも巻き込まれるんかいなw
ヒ:非公式の話だから、おそらくそれはガセかと…
カ:でも、ノブさんの解説から推察すると、可能性は否定できないってことっすよね?
ノ:彼らとて、すでに現役から離れとるさかい、参加するかどうかは考えにくいけど、話があったら、断りにくいと思うで。まして、競馬が絡んどるという話になると、特に馬場ちゃんがなぁ…w ヤツの入社時、面接でちょっとカマかけたら、えげつないことになったからなぁ。
カ:なんか、察し付きますw
ヒ:これ、MBSだったら厄介な方に行っちゃってたかも…
ノ:いやいや、まだヒデボーんトコはラテ兼営局やさかい、そう問題になるとは思わんけど、シンちゃんトコがやったら、一悶着が出るかもやで。
ヒ:あ、確かに…って、オイ!!
カ:ともあれ、鉄道会社という一面よりも、企業としてのあり方については、阪急って、ガチで“トンデモ企業”なんですね。
ノ:ま、そこは否定せえへんでw 今までが今までやさかい、何しでかすか解らんっちゅうトコが、阪急電鉄という企業の体質やと思うで。

カ:ま、そういう訳で、今回は、一部の業界人やヲタクは知ってても、一般的にはあまり知られていない話ってことで紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ノ:意外な話かもしらへんけど、関西の放送局は、大なり小なり逸翁が絡むネタがちょいちょいあるんや。その中でも、カンテレは開局時から、阪急電鉄のグループ会社として数えられるんや。せやから、フジテレビが映画制作等で他の制作会社に依頼して断られると、カンテレ経由で東宝に泣きが入ることもあるんや。今回の話聞いとったら、余程東宝アニメに対して失礼な態度を取った様やな…そら、そっぽ向くのも無理ないわ。
ヒ:今週から首都圏の地上波とBSでの再放送が始まったんで、ひょっとするとゲーム開発よりもアニメ第2期の制作が決まる方が早いんじゃねって感じっすね。
カ:今後もこういうカタチで、競馬中継を行う放送局にまつわる、様々なエピソードを紹介できればいいなぁ…って思ってます…お相手はボク、カイルと、
ヒ:途中乱入で失礼しました…アニメ大好きヒデボーと、
ノ:関西の放送史を研究しとるノブさんでした。
カ:ではまた…
ヒ:See You Next Special Week!
カ:あ、それ…アニメのネタだろw