迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

有事が起きたら、慌てないこと。

いやはや…18日の大阪北部地震、びっくりしましたねぇ…モロに通勤・通学時間直撃で、しかも被害が高槻市茨木市に集中してるって、どういうこっちゃな状態ですが、震度6弱で死者・負傷者が300人前後だったのは、不謹慎ながら23年前の阪神大震災経験者からしたら、それだけの防災・減災システムが構築され、運用できたという証ではないかと思ってます。とは言え、“安全”とされる通学路で、まさか通学中の小学生が犠牲になるのは、痛ましい話です。(他にも、別の地域ですが、安全見守り隊として通学路にいた高齢者も犠牲になった様ですが…)コレをやってる間も、被災地では水道や都市ガス供給が止まってるトコもある様で、不便を強いられている方もいらっしゃるかと思います。この場を借りて、犠牲者には哀悼の意を、被災地域住民にはお見舞い申し上げます。

で、今回の本題…この地震関連という訳じゃないが、いかなるイベント会場にいても、自然災害…特に都市直下型地震の場合は避けようがない話であり、いつ、どこで、どの程度の規模でという予測は、ほぼ“不可能”と考えていい。だったら、それに対する備えとして、何が重要になるかを、ケース毎に分けて解説しようと思う。今回の場合は、宝塚記念をやってる最中の阪神競馬場で、大阪北部地震の“本震”が発生したら…という想定の下で、予測可能な事を一つずつ潰していこう。

まず、交通インフラについては、確実に阪急とJR西日本は運休する可能性があり、伊丹空港も滑走路の安全が確保できないとなると、閉鎖される事になる。かろうじて道路の被害が少なかったとしても、接続する中国道新名神が通行止になってる可能性がある。ここまでが読めた場合、健常者(歩行に支障がない人)の場合は、西宮北口か宝塚まで徒歩で移動という選択肢があるが、身障者(特に福祉車両で来場してる)の場合、是が非でもクルマが動かないと移動が無理となる。山手幹線や主要国道に出ることができたとしても、大阪に向かうも、神戸方向に抜けるも、結構な距離を徒歩でとなると、ガチで体力勝負になる…この場合、よほどでない限りは競馬場そのものが“避難所”として解放される事になるんで、列車運行が再開(復旧)するまでは、留まってる方が“安全”と考えた方がいい。この際に事前にキープしておくべきは、携行食と飲料である。できれば、嵩張ることも憚らずに、現場へ向かう途中のコンビニや駅売店などで、最低でも500mlペット飲料2本と、長期保存が可能なポケットサイズの菓子類(クラッカーやカンパン、パウチ入り羊羹など)を事前に購入し、カバンに忍ばせておくと、場内の売店が“完売”状態でも、どうにかなる。特にキャンディやキャラメルの類は、子供がグズった時の機嫌直しに使えるから、家族連れで向かう時は、必ずポケットにでも忍ばせておこう。(食品アレルギー持ちの場合、最低でも水と果汁や乳製品を使ってない飴を持ってた方がいい。)

で、スタンドに重篤な被害がないなら、係員の指示に従ってスタンド内に留まる方がいいが、そういう訳にもいかない時も想定される。23年前の阪神大震災の時、スタンドの一部天井が落ちて、中の水道管が破断して座席やモニターが水没したことがある。開催日じゃなかったからこそ、人的被害はなかったものの、開催中の、しかも超満員な状態では、ほぼ回避不可能…かといって、晴天時ならコース上や馬場内に避難することも可能だが、雨天時は足元が滑りやすく、慌てて逃げようとしたら転倒による二次被害を受ける可能性がある。雨天時を想定するのであれば、とりあえず上半身だけでも濡れない様にするために、大きめのビニール袋(できれば容量45L以上)を持ってたら便利。平時はゴミ回収の袋として、雨天時は頭から被ってレインポンチョとして使える様にしとけば、邪魔にはならない。(一応、小型のサバイバルナイフがあると、もっと便利だが、常時持ち歩くこと自体が銃刀法違反になりかねないんで、100均でソーイングセットを手に入れておいて、糸切りバサミで適当に穴開けると、大概はイケる。)

そして、一番重要なのは、連絡手段としての携帯やスマホは、いつ電池残量が尽きるかわからないから、予備充電用に乾電池タイプの充電パックを最低一つは持ってた方がいい。もちろん、自宅で充電しておいた高出力モバイルバッテリーを持っていることに越したことはないが、緊急時とは、それでは間に合わないことがある。だから、充電式ではなく、乾電池式の充電パックを用意しておくのがポイントになる。大概、単3アルカリ乾電池なら、100均でも売ってる訳だし、LINEやSNSでやり取りする方が、下手に電話するよりも電池の使用量が少なくて済む。できるだけ家族間でLINEやTwitterなどのIDを相互フォローしておけば、緊急時の連絡で災害時伝言ダイアルがわからなくても、連絡をつけることができる。それでも、WiーFi環境が使えなかったり、電池残量がヤバい時、どうしても連絡をつけたいのであれば、100円玉を1枚、公衆電話用に財布以外のトコに隠しておこう…10円玉だけだと、市外や携帯相手だと数秒も喋れないから、どんなに短い通話であっても、余裕をもって喋るためにも100円玉だけは、“緊急通信用”として1枚は隠し持ってた方がいい。コレがあるかどうかで、安否確認の連絡のタイムラグが、大幅に変わる。

でも、本当に大事なことは、いかなる有事に対しても、一呼吸置いて行動を起こすことであり、パニックになって慌てふためいても、結局助からなかったら意味がない。係員の誘導指示に従って避難することはもちろん、自分でどうにかできることは、できるだけ自分で備えた方が気分的に余裕ができます…とは言え、それをしょっちゅうやってると、変に荷物が重たくて移動が苦痛になる訳で、そこんトコが難しい訳ですが。