迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

出走取消と発走除外の違いって?

本題の前に次週の予告…今年も“あの季節”がやってまいりましたwま、前日に登場すっかと思いますが、今年も1週間ほど、おつきあいくださいませ…この形式でやるのも、今年で9回目、時の流れって早いな。もう“同期の水神”がこの12月で還暦なんて…

と、傷心気味な内容でアレだが、今回は、競馬初心者向けの用語解説…競馬中継を聞いてると時折出てくる言葉に、“出走取消”と“発走除外”ってのが出てくるんだが、この違い、皆さんはお解りでしょうか?ま、先に答えを言っちゃうと、“出走取消”ってのはレースが行われる直前までに何らかのトラブル(疾患や交通事故など)で出走できないと判断した際になるモノであり、“発走除外”ってのは、レース本番の馬場入場までは出てたけど、その後、発走地点でトラブって(コケて怪我したとか、ゲートブチ壊して疲労困憊とか…)、レースに支障が出る場合になるモノを指す。で、どちらも馬券発売後に発生した場合は、その関係する馬券は一部の例外(枠連は同枠に2頭以上いた場合、ゾロ目以外は馬券が成立するため)を除いて、返還となる…が、“出走取消”の場合、返還が伴わないケースもちょいちょいある訳であり、一見すると“発走除外”に見えることでも“返還”にならないケースもある。

詳しく説明すると、“出走取消”の前提条件は、出馬登録と投票が行われ、出走が確定した時点からレース当日、当該競馬場の装鞍所で鞍を着けるまでに、何らかのトラブルに巻き込まれた事で、レースに出走できなくなった状態を指し、その理由も、日本の場合だと怪我や病気、交通事情や不正行為(飼料に禁止薬物が混入してたとか…)といった、明確な事情がない限り、認められない。(海外では、なぜか直前の取消に関してはユルユルだったりするw)で、“発走除外”の前提条件は、当日、当該競馬場で装鞍も終えてパドックを周回し、馬場への入場を終えて発走準備が完全に終わるまで…つまり、ファンファーレが鳴って、全馬ゲート入りを終えて係員(発走地点で馬をゲートに誘導する担当者)がゲートを離れるまでに、何らかのトラブル(ゲート内で暴れてコケたとか、返し馬の段階で騎手を振り落として大暴走したとか…)で、まともにレースができないと判断した場合に認められるモノであり、ゲートでどんなに暴れても、スターターがゲートのスイッチを握って、全てのゲートの扉が正常に開いた時点で、レースは“成立”するため、その直前までに、ゲートを壊す等のハデな事して、スターターが発走のやり直しを判断し、そこで馬体に異常が認められたら、競走中止ではなく発走除外となる…わかりやすい例で言えば、ブチコがスタート直前にゲートをブチ壊して大暴走は“発走除外”で、かつてラガーレグルスがスタート地点でゲートが開いたのに動けなくなったから“競走中止”となった事案がある。

で、“出走取消”にもいくつかのパターンがあって、枠順確定前取消から当日のレース直前取消まで様々。よくある“出走取消”は、馬券発売前の、しかも枠順発表を伴わないパターンで、これは出馬投票で出走できるとなったにも関わらず、調教師の判断で“体調不良”ということで取り消す訳だが、当然そこには“獣医師の診断”という裏付けが必須となる。当然だが、処方箋の都合上、マズいケース(怪我の治療の際に鎮痛剤を投与したとか、感冒のための治療薬に禁止薬物が含まれてたとか…)も含まれる訳であり、そこんトコを調教師は加味した上で判断する必要がある。とはいえ、サラブレッドも生き物である以上、突発的に体調不良になることだってある訳で、馬券発売が開始された直後に「体調不良なんで…(ry」てことで“出走取消”になることもある。

こうなると、主催者的にはイタい訳で、今まで発売した馬券のうち、当該馬に関する馬券のほぼ全てで返還をやらないとダメな訳であり、強引に出走とか開催を成立させようとしたら、それこそ八百長を疑わざる得ない話となる。仕方ない話ではあるが、馬券を発売してる以上、不成立な分に関しての返還は、致し方ない話である。だから、枠順が決まる前に“出走取消”となれば、その時点で補欠馬の充当ができる訳であり、馬場入場後に大暴れしても、馬体に異常がないとなれば、発走時間が遅れたとしてもゲートに押し込むこともできるって訳であるw