迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

女性が競馬にハマる時…

本来のネタから外れる話だが、女性が鉄火場(ギャンブル)にハマるには、いくつかの障害がある。ゲーム感覚のパチンコやスロット(あくまでゲームセンターでの話)でも、普通は余程でない限り、女性は手を出さないモノなのだが、公営ギャンブル…特に競馬は、いろんな意味で垣根が低い。しかし…それはあくまで最近の話であって、昔はむしろ、競馬場そのものがダークサイドであり、女性が現地で競馬を楽しむのは、正直、稀な部類と言っていい程、非常に珍しい話だった。故に、井口女史の存在は、デビュー当時の競馬サークルでは異質な存在であって、現在の様に女性競馬記者がトレセンや競馬場で取材したり、女性厩務員が牧場やトレセンの厩舎で馬の世話をするなんて事は、当時ではあり得ない話だった。(但し、生産牧場では家族ぐるみで経営してる関係で、女性が世話をする事もある訳だが…)

では、どんな事をきっかけに女性は競馬にハマるのか?その答えはまさに十人十色であって、一概には言えない。が、大まかな事を言えば、単純に“馬が好き”なのか、彼氏の趣味に付合ったからなのか、たまたまスポーツ雑誌にイケメン騎手の特集があって…なのかがポイントとなる。(ちなみにオイラは“馬好き”プラス、蜂谷アナの実況にハマったからw)つまり、ビジュアル的な部分の要素も、少なからず影響してるトコがある。だから、GⅠ馬でも、ただ強いだけでなく、その馬体の“美しさ”も、女性の琴線に触れる要素であり、いくら成績が良くても不細工な馬では、女性の支持を集める事はできない。わかりやすく言えば、トウショウファルコは成績がイマイチでも人気があったのは、その見た目の派手さ(尾花栗毛で鼻筋に入った大きな流星)が、いかにも女性がイメージしやすい“王子様の愛馬”にピッタリ当てはまったからこそであり、これが単なる普通の鹿毛でなんの変哲もない姿なら、競馬を知らない女性は誰も見向きもしない。(てか、女性はなにげに栗毛と芦毛好きが多いw)もちろん、成績の良さやマスコミの騒ぎっぷりがウケる馬でも、充分なきっかけになる場合もある。その善き例がオグリキャップであり、もっと昔ならハイセイコーが該当する。ただ…オグリキャップの場合はグッズ販売(いわゆる“馬ぐるみ”)があった事が更なる女性ファン開拓の牽引になっているが、ハイセイコーの場合はそういったメディア戦略がなかった(いや、“さらばハイセイコー”ってレコードは引退時に出たからアレなんだが…)から、マスコミは騒げど女性は“知らんぷり”であった訳でw
閑話休題、つまり、女性にウケるためには、女性の視点から見た時の“美しさ”と“可愛らしさ”がポイントになる訳であり、そういった事を踏まえると、現在のターフィー(正式名称:ターフィー50)が、サンリオの“ハローキティ”と同じ作者デザインになったのは、そういう理由である。(ちなみに“先代”のターフィーは、二次元でも立体でもイマイチなキャラだったのは、オグリから競馬をはじめた世代の競馬ファンなら、誰しもが知ってる範疇w)つまり、男性がイメージする“競馬”と、女性がイメージする“競馬”の大きな違いは、成績や血統を重んじる部分なのか、ルックスやネーミングセンスといった、本来なら競馬とは関係なさそうな部分なのかの差である。(ま、ギャンブルとして見てる点でいえば、共通する部分はあるんだがw)だから、女性にウケる要素は、馬だけでいえば成績ではなく、見た目の良さや愛くるしいしぐさ、
騎手もルックスの良さや受答えの態度が好感度を呼ぶ訳であって、見た目が厳つい感じの騎手や、見た目は不細工なのに成績が優秀な馬に対して、無条件に拒否反応を示した訳である。

しかし、本当に競馬が好きになる女性は、競馬場内で起こった事故から目を逸らさない…そう、20年前(1993年)に落馬事故が因で亡くなった岡潤一郎騎手の事や、18年前(1995年)の阪神大震災復興支援として開催された京都での宝塚記念で派手に転んで予後不良となったライスシャワーの事も、簡単に忘れ去る様では、本物の“競馬好きな女性”とは言えない。つまり、男性以上に競馬の世界にハマる女性は、単なるギャンルブ好きではなく、競馬に自分自身の姿を投射できるほとの人生観を、それこそ男性以上に持っている人である。厳しい現実を目の当たりにして、それで競馬に対して嫌気をさす女性も多い。だが、そこを含めた競馬そのものを愛する事ができる女性は、故に、忍耐強い。