迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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競馬と他のスポーツ実況の“相違点”

端的に一言でいえば、競馬中継は長時間放送でも身体的負担は、他のスポーツ中継と違ってラクだという事。この件に関しては、去年公開したコレでも書いた通りであるw

競馬中継(というか、公営競技の実況中継)は、最低でも実況アナ1人“だけ”でも回せるのだが、その“秘密”は、他のスポーツと違い、レース間隔が空けば、その分“休憩”ができるからである。逆を言えば、プロ野球Jリーグ中継の場合、CMを入れることができても、その合間にトイレに行くことも、食事を摂ることも“できない”のであり、一度中継が始まれば、試合が終了するまで、あるいは中継時間が終わるまでは、放送席を離れることなどできないという事である。

特にマラソンや駅伝といった陸上競技の長距離レースの場合、最低でも2時間は中継車の中で缶詰状態になる。そうなると、体調不良で席を離れることなんてできない。もちろん、そういう“非常事態”に陥ってもフォローできるように、複数台で中継に臨む訳だが、当然、予備の中継車に乗る実況アナは、メインの実況アナと同じように缶詰状態になる訳で、夏場だと強い紫外線に、冬場は極寒に晒されるという過酷な現場となる。また、駅伝は中継地点での待機実況もある訳で、中継車担当よりはマシとはいえ、いつ、どんなタイミングで放送中に指示が出るかわからない。だから、出番が終わるまでは“その場で待機”が鉄則であり、最下位の走者が到着、次走者へ襷が渡るまで、マイクを手放せないのである。

プロ野球の実況でも、球場によっては地獄を見ることだってある。東京ドームや京セラドーム大阪等、屋内型ならともかく、放送席ブースに空調がないトコだと、昼間は炎天下での中継となる。特に阪神甲子園球場…しかも、夏の高校野球のシーズンだと、屋根のある内野スタンドとはいえ、実質は屋外に放送席があるが故に、プロ野球公式戦よりも一試合の時間が短くても、強い日差しに照らされ、なおかつ放送機材から発する熱が周囲に篭るため、テレビカメラでは映らなくても、実況アナと解説者は汗だくになる。(しかも雨が降れば、グラウンドがアツアツなので、さらに蒸す!!)昔気質の実況アナの中には、試合途中でトイレに行けないことがわかってるが為に、水の摂取を控える人が多く、それ故に中継担当終了時に脱水症状になる人もいたほどである。サッカーの場合だと、試合時間は決められている分ラクそうに見えるが、野球中継並みにガツガツに放送行程を詰めちゃったら、ハーフタイムがあっても休憩できない…

それ故に、スポーツ実況アナは総じて、体調面に不安がある人は早々と“現役引退”をする傾向があるのに対し、競馬実況を専門とするアナ達には、逆に体調面に不安があっても“現役続行”を決断する人がちらほらと存在する…競馬実況の“二神”に関していえば、片目が見えないという不安と、腎臓に問題があるにも関わらず、今でも(流石に実況に関しては控えているとはいえ)活動的に競馬に携わっている。その“理由”はいうまでもなく、レースの合間に休息を取ることが可能な現場であることが全てである。つまり、他のスポーツ実況と違い、一つのレースが終われば、次のレースまでは準備時間となる…ここで、トイレ休憩を挟んだり、軽い食事や給水、馬券の購入、人によっては煙草を燻らす時間として活用できる訳である。だから、時折スイーツイベントや鉄道関連グッズを漁る…といった個人的な趣味の為に、取材と称して放送席を離れるケースがある訳で、中には趣味を優先したいが為に、無理矢理業務シフトを変更する人(?!)もいたりするw

だが、他のスポーツと違う部分で神経を尖らせていないといけない場面がある…そう、ギャンブルである以上、金銭が絡む情報に関しては、言い間違えた途端にブーイングの嵐になる。また、レース実況の内容が、時として金銭がらみのトラブルの原因になることがある。それ故に、胃腸や肝臓がエラい目に遭うこともしばしば…これから出張シーズンになると、滞在先での乱痴気騒ぎで体調を崩す人もいる訳で…(ry