迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

ウマたちの飲み会w〜Shin's Barへようこそ 特別営業〜



シン(以下シ):そうですか…最後は関係者と獣医に看取られ、苦しんだ様子もなく、“こちら”に向かったのですね。いつかこういう日が来るとは思ってましたが、まさか“ニアピン”とは…
カイル(以下カ):シン、これくらいあったら対応しきれるか?
シ:う〜ん…人間じゃなくて、相手は“馬”ですからねぇ…しかも、全員ヴィーガンですからね。いつもならチーズやハム、魚介系の肴も用意できるのに、植物性オンリーってのが、かなりクセモノで…
(ガコン…)
事前に対策して、正解だったかw
オグりん(以下栗):んお…なんで今日のは入り口広いだお?
カ:それはね…モゴ
シ:今日は馬しか来ないから、人間用は閉鎖したんだよw
栗:ブーブー、ボクちんのこだわりは、人間用の入り口からスマートに入ることだお!!
パク爺(以下ぱ):おいおい、その言いがかりはなかろうw
塔唱紳士(以下塔):小栗殿が珍しく飲み会やるぞと言われたから来たのじゃが…店主、早速、アップルワインを…
ナリブー(以下ブ):ぼく、いたりあんそーだのいちごあじ
ファルコ(以下隼):すいません、亜麻仁煮とブロッコリースプラウトのサラダと、大豆肉の唐揚げ、あ…スーパードライ、ピッチャーごとくださいw
カ:うお…一瞬にして、観光牧場の厩舍みたいな匂いが…
シ:流石にこれだけの馬が店内にいると、一気に獣臭くなるなぁw
ぱ:それにしても驚いたよ、あの園田のマコさんがなぁ…
隼:あの方、元々は乗馬用としてJRAの要請でニュージーランドから招聘され、京都競馬場に配属されてたのち、兵庫県競馬組合に下野され、園田競馬場での誘導業務をやられてたそうで、ぶっちゃけ、競走馬登録がないんですよね。
塔:いや、それな…実はサラ系アングロアラブじゃないからだよ。マコは、血統書があるような我々と違い、最初から馬術練習用の教習馬として来られてたんだが、誘導業務を行うようになったのは、芦毛サラ系やアラ系の乗用馬が、淀の方で不足したからだよ。
ぱ:で、その後補填が行われた際に、園田競馬で先代の誘導役が退役されたトコに、マコさんが移籍してきたんだよ。いや、ワシも大概、老体に鞭打って誘導業務に就いてたからわかるが、流石に20歳過ぎると全レースでの誘導は大変じゃったよ。
隼:パクさん、それわかりますよ。ウチんトコは、ホラ…通常勤務でも3〜6レースで交代しますが、地方の場合、交流重賞競走でも一人で業務せざる得ないトコもありますし、中には“経費削減”として、誘導業務を廃止したトコもあると聞いてますよ。
ブ:ぼく、たぶんいちどは、おせわになってたかも…
塔:あー、中央での誘導業務時の時にか。
ブ:ぼくらとたいかくがちがうし、ちょっとふんいきがおとなびてた…
ぱ:そりゃ、誘導業務を行う者は、いかなる状況下においても驚いちゃいかんし、気が張り詰めたアスリートを宥めて、レース前に落ち着かせるのが使命じゃからのう。ワシも現役時、結構世話になったからなぁ…のう、オグりんw
栗:んお?そんなこと、あったっけ?
隼:まぁ…オグリさんらしい反応だw
塔:半血種という負い目があっても、競走馬になれない宿命であっても、誘導業務一筋で、競馬の歴史を、しかも現場で見てこられた方だ。その移り変わりを、今回みたいに酒を飲みながら語り合いたいものだな。
隼:特に僕やパクさんは、業務経験があるから、話が合うと思うんですよね。
ぱ:じゃが…半血種という立場であるがゆえに、ワシらと違って競走成績とか、血統登録書を有してないがゆえに、余計なことを喋るのは避けたいとこじゃな。
ブ:ちょくせつはなしたわけじゃないけど、たぶん、おぐりさんどうように、きにしないとおもう。それに、ゆうぜんとばばをあるくすがた、あこがれだったなぁ…
ぱ:一部の人から“日陰者”と言われがちな誘導役じゃが、ワシらのような者の背中を見て、少しでも冷静さを保てるのであれば本望じゃ。ワシらのような存在があるからこそ、競走馬も“オトコマエ”になるんじゃよw
隼:ま、僕の場合、派手な尾花栗毛だったから、むしろ他馬より目立っちゃって…w
ぱ:いやいや…齢追う毎に白くなるワシら芦毛からすれば、最初から最後まで変わらぬ姿で居られる方が羨ましいよ。
隼:え、そんなモンっすか?
栗:ボクちんら、酷い場合は白毛馬と間違えられるし、顔の白斑とかも同化しちゃうから、特徴的な部分を探すのに苦労するだお。
シ:そのために、血統登録時に馬体にあるつむじの位置と数、目の色などの、パッと目じゃ解りづらい部分の記載があって、そこで確認する訳です。今でこそ、登録時に高根の部分にマイクロチップを埋めてますから、専用の読取機をかざせば、瞬時にわかるようになりましたが…
隼:アレ…付ける時、ちょっとヤなんだわ。なんか、得体の知れない虫に刺されたような感じでさぁ…
栗:んあ、この春やってたアニメのヘンチクリンな端子を、無理やり打ち込んでる訳じゃないんだから、そこまで心配する必要ないと思うだおw
カ:宴も酣(たけなわ)な感じだけど、そろそろ今宵のサービスを供しましょう…ところでシン、今回は何にする?
シ:では、リンゴ好きの馬にはたまらない一杯を…カルヴァドス(アップルブランデー)30ml、オレンジキュラソー5ml、アップルジュース(白濁系)45ml、レモンの絞り汁を適量、シェイカーに入れてよくショイクし、カクテルグラスに注げば…ゴールデンアップルです。あ、馬だから、これの10倍の量で作る必要がありましたねw
塔:これはこれは…まさしくリンゴの香りがたまらんのうw