迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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臨時投稿:競走馬“殺害事件”に関する続報…

以前、こんな記事を掲載したかと思うが、今日(7/18)、完全に予測通りの展開で“実行犯”が逮捕された。(詳しいことは、こちらを参考されたし)当然ながら、当該牧場は既に破産手続きの真っ最中であり、経営者本人…否、被疑者自身も現時点では“無職”である。悲しい結末というより、完全なる自業自得である。
情報に関して言えば、事件発覚時点で、既に一部のSNSで近隣の牧場従事者や馬喰(ばくろう…家畜を市場や屠畜場に運ぶ、物流関係者)と称するアカウントが、様々な噂として情報を流し、その一部は不確定要素もあるという判断で後日削除する騒ぎとなった訳だが、結果としてはそれらの情報は“事実”だったと考えざるえないことは、この時点まで覚えてた人は確証を得た気持ちだろう。だが、本当の“問題点”はここからであり、今回に限って言えば、たまたま情報そのものが警察の捜査と合致したために“事実”として認めても結果オーライだが、そもそも、捜査段階にもなってない状況で、“あらぬ噂”から被疑者を“勝手に特定”し、該当する関係者を罵倒するのは、事件発生時からやってはいけない事であり、場合によっては、それが捜査の妨げとなり、誤認逮捕や“勝手に被疑者”にさせられた件での名誉毀損に及ぶ可能性だってあった。他の事件においても、こういうことはよくある話で、海外だと人種差別の“肯定”として、無抵抗な相手を射殺するなんてのは、よくある話である。(黒人だから、イスラム教徒だから、戦災移民だから等…)これと同じぐらいに、事件発生後、捜査初期の段階での“断定”は、“余計な情報バイアス”がかかる原因となる。つまり、現場で捜査中の警官や鑑識、また、現場周辺の住民に、不適切な情報を流す事によって、事件と全く関係ない人々までも“被疑者”として見なさなければならないし、場合によってはそれが事件捜査の“迷宮入り”を引き起こす可能性もある。だから、ある程度の“情報規制”ってのは必要であり、変な疑いを掛けられた者は、それがずっと人生に付き纏ってしまうこともある。(瀕死状態の被害者に対して応急処置やAEDを使っての蘇生を試みただけなのに、被疑者呼ばわりされて警察で取り調べを受けるのは、正直、気分がいいモノではないし、被疑者でないことを証明するための事情聴取と言えど、事情を知らない第三者から罵られたら、同じような場面に遭遇し、救急車が来るまでに誰が救助できる?)
話を元に戻せば、今回の事件で詳しい動機に関しては、これからの事情聴取で判明することだろうし、やったことで経営が立て直せた訳じゃない時点で、一番不憫なのは殺された若駒の方である。血統が良くて、今後の調教次第ではGⅠ級の成績を残せたかもしれない有望な1歳馬を、目先の経営難を理由に、しかも多額の保険金目当てで殺害したというのであれば、今までどんな経営をして、かつ、どういう風に生産をやってたんだと問い詰めたくなる。これ、何も競走馬の牧場に限らず、全ての農家に言える話で、本気で農業改革を行いたいなら、それこそ、根本的な部分での“見直し”が不可欠であり、それに似合うだけの“投資”を、農地や器具、設備に費やせるかに掛かっている。特に、巷でよく言われる“農業の六次産業化”ってのも、どこにどれだけの資金を投入し、その利益をどう還元するかで、話は変わってくる。馬産地における牧場経営もまた然りで、観光資源として牧場見学を奨めるのはいいが、マナーレスに対する規制や牧場や関連施設での見学における明確なルールの作成ができてないと、泣く泣くそういう“新たな収入源”を捨てることになりかねない。その反面、人には言えないほど困窮してる農家は日本中にいて、共同体での営農をやるにしても、その収益をきちんと分配できるのかという問題がある。ま、ここら辺の部分に関しては、もっと詳しいことが言える人に解説を任せるとして、小さな牧場でもそれなりに収益を出し、安定した経営をやっているのに、名門と謳われた牧場が、自分自身の不注意で経営難に陥った挙句、自家生産馬を手にかけた以上、悪いが馬産地から出て行ってどうぞである。