迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

馬術競技は競馬の“基本”なりw 用途編

今回は、競馬と乗馬の基礎知識の話w とはいえ、そもそも“競馬”自体は、乗馬技術があってこそ初めてできる競技であり、家畜である馬をうまく制御して走らせる事と、用途に合わせた技術を駆使して、目的を達成させることこそが、乗馬の世界では求められるのである。もっと言えば、乗馬技術なしでモンキー乗りはできないのであり、仮に固定された鞍の上で騎乗フォームが完璧でも、生きてる馬の上で姿勢を安定させる技術は、基礎の乗馬フォームができてないと、落馬事故の原因になりかねない。当然だが、落馬時の受け身を学ばずに事故に遭えば、骨折だけでは済まされない場合もある。かくいうオイラも、某乗馬クラブ会員だったこともあり、一応経験があるが、柔道でいうトコの一本背負や外掛けで投げ出された際に、受け身ができてないと、ガチで背骨や腰椎、あばらがヤバい事になるw(オイラの腰椎すべり症は、落馬の後遺症の可能性があると、かかりつけの接骨医が言ってたな、そういや…)
今回は、一口に“乗馬”と言っても様々な“用途”があるということについての話。ざっくりと説明すると、いわゆる“スポーツライディング”と“ウェスタンライディング”の違いであり、前者は一般的な“乗馬”であり、オリンピック種目としての乗馬も、この類に当たるし、競馬もこっちに分類される。後者は主に、畜産業における業務用であり、ある意味実用性が高い。もちろん、昨今の畜産業において、広大な牧草地に牛や羊を放し飼いにして、牧羊犬と一緒に追い回すようなスタイルは日本では北海道以外だと不可能だし、海外でも馬よりバギーやオフロードバイクでの追跡の方が主流になってることもあり、こっちも“競技用”として残ってるのが関の山である。しかし、形式にとらわれずに、気軽に始められるのはウェスタンライディングの方であり、スポーツライディングは、どうしても“富裕層のたしなみ”というイメージが強く、服装や作法が厳しいと思われがちである。実際の話、どっちの形式であっても、本格的にやるとなれば、それ相応の装備や小物が必要になるのだが…
閑話休題、スポーツライディングに限定すると、さらに種目別で細分化されるんだが、通常の馬場馬術…スケートの種目で言えばフィギュアの類に相当する種目の場合、やってることに関して見た目は地味だが、正確に目的に合わせた歩様を、しかも制限時間内で演じるのは、鞍上と馬の息が合ってないと難しいし、障害(ハードル)馬術の場合、制限時間内でのコースクリアが条件で、かつ、設置してる障害を、馬体(主に脚部)が接したり、バーを落とすとペナルティーが課され、さらに障害飛越を拒否しコースアウトした場合、失格となる。総合馬術というのは、この2種目の合計得点で競う競技であり、いずれも個人と団体がある。この他に、エンデュランスというクロスカントリー系の種目があり、野外に設置したコースをいかに早く、正確に通過するかを競う。通常のクロスカントリーだと、馬場とその外周が舞台だが、エンデュランスは完全に野外…つまり、山野の獣道や、コースによっては一般道を通過する場合がある。しかも距離が長いことも多いため、結構ハードな種目であるw そして、一般的な競馬も、乗馬の種目としてカウントした場合、平地と障害が存在する意義は、いずれも馬場馬術の延長線上にあるからだ。
だからこそ、競馬学校の騎手養成科目に馬術の基礎実習がある訳であり、実技試験でも馬術の障害飛越や誘導などの種目が存在するのである。次回は、そこらへんの解説を行おうかと思う。