迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

臨時投稿:馬のドーピングについて…

ブルヒーン、オグりんだお。このブロマガではお久しぶりだおw
さて…なんで本編の前にボクちんが登場したかといえば、今日(21/10)のJRAからの発表で、12月7日に行われた、中山の第6Rで、1着入線した馬から、カフェインが検出されたというニュースを受けて、ご主人様の指示で解説を頼まれただお。何が問題かといえば、ボクちん達、馬にとって、カフェインを含む食品は、人間以上に興奮を促す作用があることから、摂取が禁止されているだお。もちろん、これは日本中央競馬会規程にも規定されている“禁止薬物”扱いで、当然だけど、法律上、この牝馬ちゃんはルール違反で“失格”となり、さらに偶発的なのかどうなのかや、体内に残ってる薬物の影響が消えるまで、出走が禁じられるんだお。(詳しい規定とかは、これを参考にしてほしいだお。)
中央競馬では、こういう事案は実に21年ぶりの事だという訳だけど、なんでボクちん達にもドーピング検査があるのかといえば、ボクちんも一応、競走馬という“アスリート”だからだお。つまり、薬物による影響を受けてレースに出走する事は、他のスポーツ同様に、違反行為に該当するからだお。もちろん、ボクちん達は、現役引退後に繁殖に回ることもあるから、影響が子孫に出る可能性もあるだお。だから、家畜防疫以上に、薬物の使用に関しても、厳しい規制がかかるだお。特に、タバコ(ニコチン)とカフェインに関しては、飼葉の中に少量でも混じってたら、とんでもない影響が出るから、細心の注意が必要なんだお。だから、本来、厩務員のオッチャンとか、ジョッキーさん達は、ボクちんの前でコーヒーやお茶を飲まない様にしてるだお。だって、眠気覚ましで飲むコーヒーやお茶には、ボクちんらでも同じように、興奮剤としての効果があるだお。実際、一部の神事で使われるボクちんの仲間に、祭礼の前にワザと茶葉を食べさせる風習があるけど、それはカフェインに拠る興奮作用を利用して、暴れさせる為だお。
もしも競馬で、しかも出走直前に厩務員のオッチャンが、ボクちんらの目の前でコーヒーなんかを飲んだら、せっかくレースに勝っても、薬物使用による影響と判断されたら、気分が悪いだお。もちろん、検体として提出するのは、通常はレース後の排尿なんだけど、サンプルに必要な量が出ない場合、採血を行うことがあるだお。もしかすると、サンブルに必要な量の尿が採取できなくて、水増しで厩務員のオッチャンが自分の尿を混ぜてた可能性もあるかもしれないけど、血液検査でカフェインの陽性反応が出たなら、飼葉に混じってた可能性が高いだお。(ちなみに、何年か前に高知競馬で、検体用の尿の量が足りなくて、厩務員のオッチャンが、自分の尿を混ぜたせいで、失格になった馬がいただお。あれはマジで気の毒だお…)もちろん、故意にカフェインを飼葉に混ぜて食べさせた場合、競馬法で定める法律違反(ドーピング)にあたり、それを行った者は、3年以下の懲役、または300万円以下の罰金が科せられるだお。万一、該当馬の管理厩舎全体検査で、他の管理馬の検体からもカフェインが検出されれば、その管理調教師自身が疑われるだお。(現時点では、該当馬以外からはカフェインの反応があったかどうかは判断できないけど…)該当馬がたまたま、厩務員のオッチャンや、誘導などの係員の“うっかりミス”によってカフェイン混入の飼葉を食べちゃったか、コーヒーやお茶を飲んじゃった、あるいは検体サンプルの“水増し”などであれば、単なる“事故”として処理されるけど、そうでない場合は、中央競馬の公正な競馬開催を阻害したと見做されるだお。だから、今回の様に、記録上の結果に関しては“失格”という処分になるんだお。但し、馬券上での結果に関しては、現場での結果であり、そこにいた裁決委員による判断で確定してる以上、覆る事はないだお。でも…馬主にとっては、入賞賞金が手に入らないどころか、むしろ嫌疑をかけられるんで、踏んだり蹴ったりな結果になるだお。
ま、どっちにしても気の毒なのは、これで失格扱いになった該当馬だお。ボクちんらは家畜である以上、人間様の都合に振り回された挙句、罵られるからだお。こういう被害は、できればあんまり繰り返されたくないだお。だから、管理する人間様には、より一層の注意を払ってほしいだお。

と、いう訳で、この辺でボクちん帰るだお。また、何かあったらこっちにお邪魔するだおw んじゃ、バイバイ…ノシ