迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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アニキャラ馬名が増えた理由(わけ)とは…

先月の記事(ar640192)と、3月下旬にやった記事(ar458606)の補足とオマケですw 昨今、アニメやコミック、ラノベ等のキャラクターから付けた馬名がGⅠ戦線を賑やかし、しかも実際に国際レーティングのトップにまで君臨してる馬まで存在する。(ついでに言えば、先月、エリザベス女王杯で勝った馬も、あの作品の主役キャラである事は、ファンならご存知の事w)しかし、前回の解説では“広告になる様な馬名は禁止”という話で疑問を持たれた方も多いだろう。実は、アニメやラノベ等の名称に関しては、ちょっとひと工夫する事で、審査をパスする事がある。そこについて、少し解説しておこう。
現時点(2014年12月)で、現役GⅠ馬でアニキャラなのは、“ドバイの英雄”ジャスタウェイ(@銀魂)と、エリザベス女王杯で初の戴冠となったラキシス(@F.S.S.シリーズ)なのはご存知の通り。オイラの記憶では、かつて2歳女王になったテイエムプリキュアを含めて、3頭のGⅠ馬がぶっちゃけ“アニキャラ馬名”を持つ状態になっている。このほかにもオツウやレディオスソープ、セイラ等が実際に走ってたりする訳だが、どうやって“アニヲタホイホイ”な馬名が審査を通過するのかといえば、実は幾つかのポイントがある。それは…

1)いわゆる“外来語”として一般的にある名称である。

2)タイトルや主人公ではない。

3)冠称などを付ける事で意味が変わる。

この要素がある場合、馬名登録でバカを見ずに済む訳である。特に1)の場合、実際にL'Arc-en-Cielのファンが名付けたネオユニヴァースは、ラルクの楽曲名でありながら登録できたのは、別の意味…新世紀(新世界)を意味する“英訳”として通用したからこそであり、ファンと音楽好きの一部以外、この馬名が“そういう意味”である事を知らずに通用する訳である。だから、引退式の際に、あの楽曲がBGM(馬場入場曲)として使うことができた訳でもある。オツウの場合は2)が該当する訳で、さすがに露骨なネーミングだと、却下される可能性の方が高いw 同じ理由でセイラやシャア、ヒートホーク等のガノタならすぐわかる“単語”についても、ぶっちゃけ2)が該当する訳で、ガンダムの場合でも、3)にしてしまえば、なぜか通用してしまう訳であるw(実際にエーティーガンダムとか、ヒシガンダムなどがいましたw)かつてセラムンヲタどもが狂喜した馬名にセーラージュピターってのがいたのだが、これに至っては、たまたま冠称が“セーラー”であったが故の偶発的なモノであり、おそらく審査の際に他の名称を使おうとして引っかかったから、この馬名になったと推測される。(そりゃ、“ムーン”なんて付けたら、まんまでんがなw)また、ルパンやコナンの場合、取り合えず“一般的な外国人名”ということで通用するため、特にひねらずに付ける人もいる。当然ながら、1)と3)のコンボで通過してる訳で、もしも同じレースに、“ルパン”馬名と“コナン”馬名が同時に走ってゴールまで接戦を繰り広げたら、“ルパン三世”と“名探偵コナン”のファンは、ニヤニヤが止まらないでしょうw
でも、なんでこんなにアニキャラ系の馬名が増えたかと言えば、これは馬主自身がそもそもアニヲタであったり、関係者である事がヒントになる。ジャスタウェイやオツウの場合はご存知の通り、馬主がアニメ版の“銀魂”の構成作家であるからこそであり、ラキシスの場合、馬主自身がF.S.S.のファンであったからこそ、こうなったという訳である。しかし、これ以外の理由の中には、子供や孫が愛馬を愛でてくれるように、ワザとつけたケースもある。実はテイエムプリキュアは、当時幼稚園児だった娘が大好きなアニメのキャラだった事と、プリキュア自身は化学工業用語で、熱硬化性のプラスチックの硬化前処理の段階で、予備硬化(事前の結晶化)の事を指す…この点から名付けたのがアレである。(故にパドック用メンコに、キュアホワイトのステッカーが付いてたりした訳でw)ちなみに、同じ“逃げ道”はジャスタウェイラキシスにもあって、前者は“我が道を行く”という英訳、後者はギリシャ神話の女神様を指す…とすれば、誰もコレが“アニメのキャラクター名”とは気付かないw 同じ理屈は“コナン”でも通用する話で、推理小説“シャーロック=ホームズ”シリーズの作者であるコナン=ドイルから名付けたとすれば簡単だし、湖南(琵琶湖の南部を指す地名)とか、小楠(こなん)という苗字であるとすれば、これだけで“一発通過”であるw

30年ほど前だと、実はアニキャラでも登録NGになるケースが多々あって、なかなか難しかったのだが、昨今のアニヲタが、馬主資格を有する程の富裕層にもいて、また、実況アナですらアニヲタがいる状況にあって、いわゆるポップカルチャーとの結び付きが徐々に増えているからこそ、アニヲタから競馬の世界へ関心を引きつけるために、ぶっちゃけ“規制緩和”を行った事が、ここまでアニメキャラ系の馬名が登場する背景にあると思われる。とはいえ、せっかくアニキャラ系馬名を付けても、オープンクラスまで勝ち残れなかったら、単なるネタ馬扱いであって、オダギラー馬名や悪ふざけな馬名と同様に、笑い者にされるのは、いささか心苦しいかと…