迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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西日本でのJBC開催における、今後の課題。

いよいよ…今週末は中央での初の試みとも言えるJBC開催な訳だが、そもそも“JBC”とはなんぞという初心者も、ブロマガ読者の中にはいるかと思うんで、簡単に説明すると、要はアメリカでやってるブリーダーズカップの“日本版”という位置付けと、地方競馬における“統一重賞”としての位置付けがある。もっとぶっちゃけると、地方競馬の活性化の一案として、中央とのダート交流重賞を拡充して、その頂点として設定してるのがJBCの本来の位置付けであって、そもそもは全国にある地方競馬の馬場での持ち回りでの開催が基本であるんだが、なんで今回、京都競馬場での開催になったのか?その最大の“理由”は、名古屋以西の競馬場でJBC開催に必要なスペックを有する競馬場が乏しいという現実問題がある。

確かに、10年前に園田競馬場JBCが開催された訳なんだが、実はちょいとした問題が影を落とした…会場としてのスペックとしては名古屋や浦和に引けを取らないトコではあるが、何分、宅地開発が進み過ぎた事による、開催の度に競馬ファンと地元住民の間でトラブルが生じる事がネックになっていて、主催者である兵庫県競馬組合から散々、来場時はファンバスでの移動を呼びかけてるにも関わらず、阪急園田駅から徒歩で往来する人が絶えなかった。もちろん、通常開催ならそれでも十分なんだが、当時、新春賞でも1万人来たら御の字な状況下で3万人オーバーの来場者でごった返した挙句、ファバスを増便しても、運行ルートの道路自体が酷い渋滞を起こし輸送力自体がパンクした訳である。

仮にこのデータを金沢や高知、佐賀に当てはめた場合、真っ先にパンクするのは競馬場までの主要アクセス道路であり、老朽化が激しいスタンドでは、たとえ会場内に5万人収容できたとしても、その重みで崩壊する可能性がある。これでは、公正、かつ安全な競馬開催は不可能であり、また、ナイター開催でやるにしても、公共交通機関が脆弱な地域事情を考えると、無謀な話になることは想像に硬い。

では、今回の京都開催とは、一体どんな意味があるのか?先に結論を出せば、収容人員と交通機関の整備ができてること、そして“週末開催”っていう部分が全てを物語っている。というのも、できれば中央と地方で競馬ファンの取り合いをするのはどうかという課題があって、故に、中央競馬は原則、土日の昼間のみの開催としてる訳であり、地方競馬も都市部では基本、平日開催で棲み分けをしてた訳である…が、バブル崩壊までに相次いで地方競馬の多くが廃止に追いやられ、中央の“一人勝ち”状態になっていった訳である。そこで、交流重賞の拡充とその頂点として、各地の地方競馬場持ち回りでのJBC開催が打ち出された訳である。

しかし…さっきも説明したが、南関地区での開催に偏りがちになる上に、しかも殆どの地方の競馬場は、JBCのためだけにスタンドの増改築なんて収益的には無理であり、仮にできても、周辺住民からの批判は免れない。特に、ギャンブル全廃を是とする市民団体が実権を握ってる様な自治体の場合、“公共施設”という観点からも“無駄な施設”と断罪して予算を削減しろと脅してくるため、スタンドの耐震工事を大々的にやりたくても“できない”という、なんともお粗末な話になる訳である。故に、必然的に金沢を含めた名古屋以西でのJBC開催は、日程的に土日以外の昼間ならともかく、ナイターや中央とバッティングする時間帯での開催は、不可能と言ってもおかしくない。それに、土日は中央開催故に、中央の騎手が遠征に行けない(=中央からの出走馬に騎乗できない)から、結局は中央の馬場でのJBC開催は、避けて通れない訳である。

でも、なんで東京や福島でやらんのかって話になると、レースの施行距離が、ダートコースに限ると“取れない”という事情がありまして…(ry