迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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フジテレビへの批判は、将来の競馬中継のためにある?!

先日、オイラのこの記事に対してのコメントがあったんで読んでみたら、最後の一文だけでミスリードした回答だったので、一応、コメントで返答したが、改めて解説させてもらうが、地上波での競馬中継は、土曜日でも、中継を行っている放送局は、BS11からのサイマルか、テレ東の中継を回している。(西日本では、KBS京都製作のが流れる。)で、日曜日は原則としてFNS系列の放送局がメインをやっている…訳だが、批判の一番の“理由”は、競馬中継スタッフの育成を、他局が人員確保に必死になっていることを尻目に、かなり“手抜き”してるとしか思えない状況であることが、オイラ的にカチンと来てる訳である。ただ…ここで勘違いして欲しくないのは、放映権を返上しろというのは、関東“のみ”の話であって、地方の場合は、クロスネットを行っているトコもあるため、一概には言えないトコもあるってことだ。ぶっちゃけた話、要は実況アナのレベルが“低い”と、一部の競馬ファンが思っているからこその話であって、人材育成を怠ったツケが、今頃になってジワジワと、競馬中継に限らず、すべての番組で影響が出ている訳である。ま、こういう話は、ここではお門違いな話だが、MBSの説明をする時に“あどラン”をやってる手前上、避けては通れないことである。
では、ここまで人材育成に関してgdgd状態になったのか?その全ては、1980年台後半からの“快進撃”的な状態から始まる。ここでは、その“キーワード”となるアナウンサーの存在に関しては、名前ごと伏せさせてもらうが、要するに、一人の“カリスマ的存在”に依存したことから、すべての狂いは始まってると言っていい。そして、その“同期”も、後進の育成よりも最前線での活躍に執着し、そのことが原因の一つとなって、のちに退社することになる。(ちなみにその人は、オイラの記憶が正しければ、関西のとある片隅にいる…というトコまではわかってるのだがw)それだげではなく、腕利きのいいベテランを、開局間もないBS局WOWOWに出向させ、さらにはスポーツ中継自体をCSやBSの自前コンテンツとして取り扱う一方で、地上波での中継を、ある意味駆逐してしまった訳である。もちろん、BSやCSの運営費を賄うのであれば、スポンサーが簡単につきやすく、しかも視聴率が稼ぎやすいスポーツ中継をやった方が、番組制作のコストに見合う。しかし、それゆえの“弊害”として、実況アナが中継画像に頼りすぎて、現場で実況してるのに、視聴者無視して弛んだ感じの実況になりやすい。これは、テレビの実況アナ全般に言えた話で、NHKも例外ではない。(大相撲中継の実況でも、ラジオはともかく、テレビは余計なこと喋りすぎて、タマにイラッ…っとします。)
この件に関して、杉本アナが一番危惧していた事であり、彼の門下生に当たるKTVの競馬実況アナは、研修の際に“モニターを見るな”という指示が出る…これは、自分の五感で感じたことを、そのまま言葉にして実況を行うための“訓練”であり、これができて初めて、実際のモニター画面を見ながら、実践さながらの実況の訓練に入るのです。つまり、カメラワークだけの映像ではわかりづらい部分を、言葉で補いながら、レース全体の流れを実況するのが、いわゆる“杉本節”の真骨頂であって、その合間に時節柄や有力馬、あるいは注目馬に対する美辞麗句などを織り込む事で、あのド派手な実況が完成する訳です。その基本は、どこまでいっても吉田アナの競馬実況に対する哲学と一緒で、肝となる部分は、競馬ファンが情景を把握しやすく、なおかつ精密なまでにレースを描写する、実況アナ自身の観察力と言葉の表現力です。この二つが上手く組み合わさってこそ、あの名フレーズ“菊の季節にサクラが満開”とか“後ろから何も来ない”などが生まれる訳です。この点に関して言えば、ラジニケの実況アナ達もまた然り。まして彼らは、JRAの公式実況を担っている、他の競馬実況アナよりも責任重大な存在です。そして、そこに移籍したFNSのアナウンサーとして、仙台放送から小塚歩アナが、そして福島テレビから米田元気アナがいる訳です。(その反対側に行っちゃったのもいたけど…)
言い方が悪いですが、本気で競馬中継を単なる“スポンサー稼ぎ”としか思っていない様であれば、競馬ファン自体が見なくなるのは当たり前であり、本気で競馬実況をやり続けたいという気持ちがあるアナウンサーは、必然的に自らの修行の場を求めます。そんな社員達の、“プロ”としての気合に応えてやれない放送局…否、企業は、やがて誰からも相手にされません。当然ですが、広告を出しているスポンサー企業からも見放される事になるでしょう。それゆえの“戒め”として“放映権を返上しろ”と言ったまでです。当然ですが、同じことは他局にも言えた話…今後、腕利きのベテラン実況アナが、相次いで定年退職する時期に差し掛かっている事を踏まえると、どこの放送局でも喫緊の課題なのです。