迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

競馬を愛する語り部たち…vol.28:小さなダンディズム・木和田篤

正直、このシリーズに関して、ネタ不足気味なのは仕方ないのだが、やらない訳にもいかないので、今月は木和田アナの話。実は、彼は一度、競馬の世界から離れた時期がありまして、ある意味“出戻り”なんですよねぇ…一部競馬ファンから“菫色のダンディー”と言われる所以を、オイラの独断と偏見でまとめてみようと思う。
普通にナレーションなどの仕事をしてる時は、かなり“おっとり”した口調で話すのに、競馬実況になると、レースの流れに則した、結構キレのある口調に変貌する。しかし、決して過度な絶叫をせず、淡々としたリズムで実況する様子は、些か物足りなさを感じる人も多いだろう。だが、GⅠレースでヒートアップした状態ならともかく、平場の新馬戦など、目の前の事実に対して明確な展開を伝える…という使命において、彼の実況は聴きやすい部類に入る。その丁寧な仕事ぶりは、広瀬アナの背中を憧れた彼だからこそできることであり、大阪支社時代、一緒に仕事しながら、その技術を磨いたからこそできる技術である。とはいえ、最近はBS11の競馬中継でのスタジオトーク担当になる事が多く、実況を聴く機会が減ったのは寂しいばかりである。ちなみに、BS11に登場するラジニケの競馬実況アナの中では、実は彼が最年長で、直也アナや檜川アナとは同い年(1963年生まれ)ですw
女性に対して“優しい”という印象があるが、一説には、幼少期に母子家庭だったことが影響してるとされているが、どっちかといえば、それは違うような気がする…ま、私生活上では結構な“キャバ嬢キラー”という噂(?)があるが、おそらく、競馬中継の仕事に対する心情…仕事上では性別や出身、年齢などは一切関係なく、同じ職務の仲間として付き合う上での礼儀として、相手を立てる様に自分を抑えているのではなかろうか。だからこそ、単に女性相手に優しさを示すだけでなく、同業者として厳しい目をして指導する事もある。それを単に“女性贔屓”と批判するのであれば、それはとんでもない勘違いである。逆に、男性…特に後輩に対して、同じように甘いトコを見せる方が、よっぽど変態かと…ゲフンガフン
閑話休題、丁寧な仕事をモットーとしてる木和田アナだが、それが故に悩み、苦しんだ時期があった。それは、大阪支社から本社に戻ってすぐの頃…それまで、競馬三昧な生活だったのが一変し、業務のシフト上、競馬実況できる機会が減った事と、後輩に自分よりも実況センスがある者が入社し、最前線で活躍してる事、なおかつ、本社の競馬実況アナは、大阪支社と違って、当時は“供給過多”な状態だった事もあって、自然に軸足を株式市況やナレーションの方に向け、一時は双眼鏡を置いた。しかし2003年以降、その状況は、彼に再び双眼鏡を持たせる事になる。もちろん、そのきっかけは、いわゆる“エミネム事件”以降の大阪支社のドタバタな訳だが、2003年以降の異変がすべてとなる…広瀬アナが本社への帰還を拒んだ末に退社・フリーとなった事、宇野和男アナのある意味我侭過ぎる退社…様々な要因が重なり、本社でも深刻な“実況アナ不足”に陥った。もともと近眼で、しかも他のアナに比べて口調がゆっくり過ぎる事が仇となり、自分の中で“実況アナ失格”とレッテルを貼って塞ぎ込んでいた彼に、思いがけないカタチでの“現役復帰”の機会が巡ってきたのである。木和田アナが人一倍努力してる事を、一番わかっていて、背中を押したのは、言うまでもなく白川アナや広瀬アナである。だからこそ、その思いに応えたい一心で、再びターフに戻ってきたのである。

さて…ラジニケの競馬実況アナは、どういう訳か“トラキチ”が多いw 以前紹介したコバマサや長岡アナもそうだが、実は彼もご多分に漏れず。毎年、球春が近づくとソワソワし、調子がいい時は機嫌がいいが、成績不振になると、他のトラキチ同様に“もうファン辞める…“とボヤく。今年、セ・リーグのレギュラー戦ではグダグダな状態だったのに、クライマックスシリーズで、まさかの“下克上”を果たし、日本シリーズでは“11年前の激闘”再び…となった訳だが、この原稿を書いてる時点では、どうなってるかわからんが、もしも日本一になってたら、おそらく他のトラキチな連中と狂喜乱舞になるでしょうw