迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

実況アナ達の“苦手意識”

競馬実況をやる上で、馬名の言い間違いは、競馬ファンから叩かれる要因のひとつ…とはいえ、認識間違いやきわどいレースでの見極めで失敗した等、レースの結果と直結してるからこその批判であって、そもそも、馬名がヘンチクリンだと、それ故に批判するクレーマーそのものもバカだとしか言い様がないw(実際にいるんですよ、競馬実況アナが戸惑う事を前提に、馬名で遊ぶ馬主が!!)しかし、それを“理由”に泣き言いってたら仕事にならないのが、競馬実況アナ達の宿命であり、本文である。とはいえ、日本語を正しく喋れてナンボなのは、日本のアナウンサーとして最低限度の“技能”なのに、それ故の苦労が…
昔の実況アナ達にとって、いわゆる“カタカナ”が苦手…ってのがある。要するに、外来語をカタカナで表記してても、その通りに“読めない”って人が多かった。難読な馬名を挙げろと言われて、ベテラン勢が真っ先に思いつくのが、シンボリルドルフ。カタカナ表記では確かに“カッコ良い”馬名だが、いざコレを噛まずに読んでみろと言われ、スムーズな発音ができたとしても、ある程度ゆっくりと話す分には良いですが、競馬実況でコレを連呼してみろとなると、大概の人が噛む事になる…わかってても、ラ行とダ行の発音切り替えが非常に難しいからこそ、大概の実況で“噛む”事になる。(マシンガン実況を肝とする蜂谷アナでも、手こずってましたからねぇ…うまく発音できないって。)更に苦労するのが“ヴ”が付く馬名。これは、英数表記でやればよくわかるが、要するに“V”が付く言葉は、日本人が最も苦手とする…というより、そもそもの日本語には存在しない発音形態であるが故に、実際の発音がおかしくなる訳で、ビリーヴとかエアグルーヴの様に、最後に“V”の発音が来る場合は誤摩化せても、レッドリヴェールとかヴィクワールピサ等の様に、途中や最初に“V”発音が来ると、なぜかバ行発音(B発音)になる事がある。(ウォッカは別だが…)これ自体はある意味、日本語であるが故の弊害としか言い様がないが…
ここから先は、以前、方言に関するネタとしてやった部分の補足になるが、馬名によっては、馬主の“出身”が反映される言葉が使われるケースが多々あり、それ故にパニックになる事がある。そう、いわゆる“方言馬名”ってヤツだ。テイエムボッケモン(テイエムは冠名だが、“ボッケモン”は鹿児島弁で“大胆な人”とか“乱暴者”という意味)とか、ナンデヤネン(ご存知“オダギラー”馬名w 関西弁のツッコミ言葉“なんでだよ”)は、その方言の意味が通じる出身者ならともかく、様々な地方からアナウンサーとしてやってきた者にとっては、時と場合によっては“難読言葉”になるw ぶっちゃけ、関西方言を東北人や関東人がやると違和感がある(その逆もまた然り…)様に、発音ひとつで“大爆笑”となる実況にもなりかねない訳で、単に“珍名”だからと言って、ヘタレな実況になるとは限らない。寧ろ、方言が入った馬名の方が、実はアナウンサー達にとっては“最大の敵”だったりする。言い方を変えると、東北出身の小塚アナや佐藤アナが無理矢理関西弁で喋るのと、関西出身の檜川アナや直也アナが普通に関西弁で喋るのとでは、聞こえ方や雰囲気が全然違う。コレがモロに実況に出た途端、同じ馬名を連呼してても、違和感が出る訳である。(但しコバマサの場合、ナンデヤネンに関してはある意味完璧w)
つまり、せっかく“カッコいい馬名”を付けて、登録も通ったのは良いが、実況するアナ達にとっては、毎年の新馬(デビュー)戦程、戦々恐々な状態であり、故に、毎度ながら馬主に“ヘンチクリン馬名はやめてくれ”と願う訳であるが、毎年の如く願いは裏切られ、そしてレースの準備中に頭を抱えながら本番に臨む訳なんです…いやはや、ご苦労様です。