迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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ラジニケのアナはなぜ、デビューが遅い?

先日、“うまきんIII”のリスナーとTwitterで話し込んでいたのだが、他局の競馬実況アナは、デビュー2年目からGⅠ実況をやってるのに、どうしてラジニケの実況アナは、デビューから5年経ってもGⅠ実況をやらせてもらえないのかという話題になった。しかし、そこには放送局の“格の違い”や、会社としての人材育成方針の違いが、実況アナの違いにもなっている訳であり、デビューの早い遅いだけで語る様な話ではない。特にラジニケの場合、何度も解説したかと思うが、JRAの公式実況も兼ねている事を踏まえれば、安易に新人アナに実況を任せる訳にいかない事情があってこそ、こうなるという説明ができる。
実のトコを言えば、これ、ラジニケに限らず、テレ東系列のテレビ局でも言えてる事で、他の民放が、入社から3ヶ月の基礎研修を終えた後に、いきなり“初鳴き”となるのに対し、日経系の放送局は、大概、1年近く“塩漬け”になる事が多い。去年ラジニケに入社した山本直アナでもそうだが、正式に“アナウンサー”として紹介される様になったのは今年の6月以降で、米田アナでも福島テレビから移籍後、およそ半年以上は正式な所属アナウンサーとして紹介される事はなかった。もちろん、オイラの知ってる範囲で言えば、植草ブラザーズ(元・ABC植草貞男アナの息子達、長男は結樹アナでTVO所属、三男の朋樹アナがテレ東所属)も、それぞれ九州の放送局から移籍してすぐには登場していない。つまり、ここに日経系列の会社としての“人材作り”に関する秘密があると思われる。
ここからはオイラの推測なのだが、一番言えている事は、とにかく“報道記者”としての基本的な取材の姿勢を仕込む為には、所属の枠を超えた研修が不可欠という概念があって、こういった事になるのでは…という事である。つまり、単に縦割り的な役割分担をしても、協合する部分があると、そこで“仕事の取り合い”になってしまう。そこで、柔軟な対応が求められるから、一通りの仕事内容を経験させ、常にバックアップ体勢を整えられる状態にしておく事が、社員全員に求められていると考えれば、話の筋道がわかりやすい。言い方を変えれば、NHKの地方局員と同様に、あらゆる業務を一通りこなせて、初めて専門分野の業務に就かせる、少数精鋭ながらも業務に穴をあけさせないシステムがあると思われる。現に、競馬関連番組の殆どは、自分達で構成や番組進行、時間調整等を行っている訳で、競馬実況から外れたアナ達も、株式市場関連番組や音楽番組でのプロデュースを行っている。この器用さが求められている…となれば、必然的に入社から3ヶ月“だけ”の研修で身に付く訳がないし、中には“他の仕事がしたい”という理由で、入社1年未満で退社する人もいる。それを“回避”する為にも最低1年間の雑務をやりながら、基本的な業務の作法を、じっくりとやっていくのが、ある種の“伝統”になっていると考えていいだろう。
特に競馬実況に関して言えば、入社半年程度のペーペーに、競馬場内で、しかもGⅠレースの実況をしろと命じる程乱暴なやり方をすれば、公式実況を委託しているJRAも堪ったモノではない。もちろん、そつなくこなせる度胸と技能があるならともかく、入社して間もない新米に“公式実況”という荷は重過ぎる。だから、入社1年は競馬場へ通わせる事はあっても、実況席には座らせないで、主に雑用をやるだけであり、2年目以降から本格的に実況アナとしての訓練を行う訳である。だから、入社しただけでアナウンサーとしてデビューできる他局と違って、GⅠ実況までに時間がかかる分、“公式実況”を請負うにふさわしい人材が揃う訳です。

ちなみに、“あどラン”をやってた頃のMBSでは、4月の正式入社後すぐに番組内で紹介され、新人研修の様子がそのまま番組のネタとして取り扱われていました。中には、無茶苦茶なミッションを課してとんでもない事をやらかした人もいた様で、修験者になったり、パビリオンのコンパニオンになったり、サーカスの団員になったりと、結構身体張ってましたw (一番ブッ飛んでたのは、実際の舞台で漫才をやった事かしらw)