迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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競馬と鉄道の話:関西の運行ダイヤ編

鉄道の運行ダイヤは、多くは数年に一度、大改正を行う訳だが、その理由として、新型車両の導入や沿線開発が順調に推移してる事を踏まえ、利用客拡充を視野に入れた変更を行う訳だが、大概の場合、それが上手くいかない事の方が多いw(そりゃ、モータリゼーションを国是としてやった弊害でんがなw)しかし、公営ギャンブルを沿線地域に抱え持つ鉄道会社の場合、大幅なダイヤ改正を行うのと同時方向に、競技の開催日程による臨時ダイヤ編成をどう組むかで、スジ屋(ダイヤ編成を作成する専門職)が毎度、頭を抱える訳である。そこで、どうやってその運行ダイヤを円滑に実行できるのか、少しオイラなりに纏めてみようと思う。
もっとも、オイラがわかる範囲で説明できるのは、京阪と阪急だが、基本的に違うのは、定時ダイヤでどうにかするのか、臨時運行が組める状況なのかの差である。京阪の場合、普段は各駅と準急しか止まらない淀駅に、急行の臨時停車を行う様にしている。つまり、できるだけ通常のダイヤを弄らずに、且つ、競馬ファンと京都観光に訪れた人達を纏めてスムーズに輸送する為にやってるといって良い。もちろん、淀を始発とする臨時列車を運行する事もやってるが、あくまで大阪方面からの競馬ファン向けであって、京都方面では行っていない。同じ理屈は、阪急でもあって、だが、少し様子が違うトコがある…
阪急の場合、梅田から来る競馬ファン向けのサービスとして、昔、最寄駅の仁川までの直通急行を運行してた事がある。現在でも、メイン終了に合わせて梅田行きの臨時直通急行を運行をしているが、実はコレがかなりクセモノで、停車駅を先に公表すると、十三(じゅうそう)、塚口、仁川…そう、西宮北口に“停車”しないのであるw 正確には、今津(北)線への乗入れ・離脱の関係で、西宮北口で“信号待ち”をする訳だが、そこでは乗客の取り扱いを一切行われない。つまり、駅構内の入れ替え線を利用する関係で、実質は“通過”扱いになるのだ。されど基本は、西宮北口優等列車停車駅だから、そこで今津線(北線)に乗り換える事が前提であり、また、宝塚線経由で向かう“バイパス”も存在するから、通常の休日ダイヤでなんとか対応しきれる訳なんだが…最近ではちょっとイレギュラーな事が起きている。そう、お気付きかと思うが、阪神近鉄と相互乗り入れをやる様になった関係で、今津線(南線)の利用者も増えてきてる訳である。要するに、奈良以東や南海沿線の競馬ファンが、こっちから阪神競馬場へ向かうケースが増えてる訳である。そこに目をつけ、休日ダイヤでは近鉄と共同運行している快速急行を、今津駅に臨時停車する措置をしたのが阪神なのであるw

脱線ついでに、いわゆる阪神の“逝っとけダイヤ”について解説すると、甲子園球場でのイベント開催時の混雑状況、および試合進行に合わせて、甲子園駅の駅長が全責任を負って、スジを引き直して運行してる訳である。つまり、ダメ猫…もとい、タイガースのホーム戦で延長に継ぐ延長でグダグダになっても、そこを見越して駅長の指示で阪神本線のダイヤそのものが書き換えられるため、梅田や三宮までなら対応できるが、相互乗入れ先の山陽と近鉄は堪ったモノじゃないのは、ある意味日常茶飯事w とはいえ、近鉄も他人に言えた義理ではないのは、沿線住民ならご存知の通り。(いわゆる“天理臨”の運行がある関係)