迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

Shin's Barへようこそ 2017 第五夜

シン(以下シ):暑さ寒さも彼岸まで…って言いますが、去年もそうでしたが、9月に入って以降、急に朝晩の冷え込みが激しくなってますね。迷馬さんもこの気候急変で、流石に風邪を引かれてしまってるようなので、あまり無茶をしないで欲しいモノですが…
(カランコロン…)
っと…ようこそ、Shin's Barへ。
ギィ(以下ギ):ここが、私の行きつけの店だよ…店主の“生前さん”が競馬の実況アナだったらしく、競馬に関する含蓄も豊富なんだ。
ジョナサン(以下欣):そうそう、店主の趣味もあって、中央に限らず、地方の話もできるから、結構面白いトコなんだよなぁ。
かつみさん(以下巨):へぇ…これはまた、いい趣味した店構えだね。店主、早速だが、オールドファッションをもらえるか?
シ:かしこまりました…で、お二人はどうされます?
ギ:私はいつもの…ジョナサンはどうする?
欣:あ、ボクはかつみちゃんと同じでいいよ。
ギ:しかしまぁ…今年もセリ市が活況だったようで、特に20年ほど前から始まったセレクトセールが、結構好評がいいんだよ。
巨:ほう…去年より16%も売上が上がったのか。それにしても、凄まじい金額だな、これは。
シ:去年でも150億ほどの売上があったのですが、今年は1歳セッションでも15頭の億超えがあり、また、当歳セッションでは史上二番目の高額となる5億8000万円で落札されたりと、トータルで見ても注目種牡馬産駒が目白押しだったこともあって、173億円の売上となりました。
欣:でもさ、昔の競馬って、庭先取引が主流だったのに、なんでセリ市の方が活況になったんだ?
巨:それこそ、国際化の流れを受け、市場をオープンにすることで、誰でも競馬に参加しやすくしたんだよ。特に、サンデーサイレンスが日本で繋養され、その血統の産駒が日本に集中してるからこそ、海外からも買い付けに来る外国人バイヤーが増えてきてるからこその話だよ。
シ:正確に言えば、外国人馬主が日本の競馬に参入する条件が緩和され、さらに、日本産馬が海外競馬でも活躍するようになったことを受けての背景がありますね。ただ…今までの庭先取引で買い手が決まってた頃と違って、生産や育成に対して、購買者の厳しい注文がつくようになり、その設備投資ができない牧場が淘汰されていく傾向が出てますが…
ギ:しかし、庭先のみでやっていると、様々な弊害があったのも確かで、せっかく新規で馬主資格を取得した人が、自分好みの馬を手に入れたくても、生産者が“一見様お断り”的な態度で取引に応じないことが多かったから、結果として、一部の馬主以外は自分の持ち馬で競馬に参加することすらできないまま、返上するケースも多かった。それを変えたのが、このセレクトセールの一番の功績と言っていい。
欣:なるほど…つまり、メリットとして、血統の偏りや一部の馬主以外恩恵を受けられないといった不具合を解消したのが、セレクトセールの役割ってことか。
巨:それゆえの弊害として、そこに上場できなかった中小零細牧場の生産馬は、別のセリ市(静内セレクションセールや翌年のブリーズアップセールとか…)に回さざる得ない訳であり、そこでの取引は、どうしてもセレクトセールよりも安値で買い叩かれる傾向がある。
シ:しかし、そういった高額ではない取引馬でも、GⅠや海外の競走での活躍があれば、全体的なセリ市の価値の底上げに繋がります。
ギ:そうなんだよ…ここんトコの活況の背景には、セール取引馬の活躍が顕著になってることが大きい。血統的なこともさることながら、将来が期待される若駒が、当該セールから登場したとなれば、それだけで注目度が上がるさかい、必然的に購入希望者が集まってくるんや。
欣:はぁ…セリ市で取引された馬が活躍すれば、その分だけセリ市そのものも注目を集めやすくなる…そりゃ“Win Win”な話になるよな。
巨:それにしても…本当にここは、競馬関連の話をするにはもってこいの場所だねw 我々にしたら、本当に居心地のいい場所だ。
シ:お褒め頂き光栄です…では今宵のサービスを。スコッチウイスキー3に対してスイートベルモット1、アロマティックビターズを一振りしてステアして、カクテルグラスに注いでチェリーを飾れば…ロブ・ロイです。元はマンハッタンというカクテルですが、使うウイスキーがバーボン系なのかスコッチ系なのかで名称が変わる、“同系異種”のカクテルです。ちなみに、コレをチョイスしたのは、ゼンノロブロイという馬名に引っ掛けてのサービスですw
巨:こういう遊び心、嫌いではないぞw