迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

密漁(猟)と需要。

中国漁船が小笠原諸島などの太平洋上で、宝飾用サンゴの密漁をやっているというニュースを目にして思うのは、そもそも、日本だけでなく海外からも需要があって、それを低価格で安定供給しようと思えば、こういう“裏”があって当たり前だという事。例えば、冬場の鍋に欠かせないカニ肉…通販で低価格で販売されているものは、ほぼ、なんらかの“裏”があると考えていいと思う。特にタラバガニの場合、漁獲量もさることながら、漁場がロシアとアメリカの北極圏近海であることを踏まえれば、日本の漁船が乗り込んで獲ってる訳じゃないから、学術上“タラバガニ”ではないカニが混じってる可能性がある。もちろん、北海道の根室や釧路、網走等で水揚げされたタラバガニ…実際は同型異種の“アブラガニ”が混じってる訳で、地元では濃厚で食べ応えのあるアブラガニの方が珍重される訳であり、タラバは敬遠されることもあるのだそうな。しかし、本土の人間に、その区別、剥き身になった場合の見た目だけでつくと思う?

では、なんで密漁が後を絶たないのか?さっきも書いたと思うが、全ては“需要”があって、“安定供給”が約束されている事に、顧客自身が何も知らずに了承してる事に問題がある。つまり、水産資源保護を訴えたトコで、価格を釣り上げると、誰も“買わなくなる”という、変な危機感が現場の漁師にあって、その“足元”を見て仲買人や通販バイヤーが煽る訳である。本気で水産資源に関する危機感がある漁業関係者であれば、こんな事をしてたら、将来的に水産資源全般が枯渇する事ぐらい推測が付いている訳だが、貧困層にそれを訴えても、聞く耳持たない…なぜなら、そんな“余裕”がないほど、設備投資や燃料費といったコストが悪すぎるからである。農業でもまた然りで、いくら酒米用の“山田錦”を作ってくれと酒造メーカーが頭下げたトコで、管理に手間がかかる上に“工業用”という理由で買い取り価格が安くなる品種を、わざわざ“無農薬・有機栽培”で育てようと考える農家はいない。

つまり、モノにかかる“適正価値”を、誰も知らないから、こういうことが頻発する訳であって、まして、河川や海は“誰の所有物でもない”という概念がある以上、密漁が減る事はない。ぶっちゃけ、国交相でも“河川の管理”といっても、やってるのは堤防や護岸の整備ぐらいで、水産資源の保全などは“農水省の管轄”ということで無視される。その農水省でも、福島の原発事故での農地の再整備(除染含む)に関しては、国交相経産省に、ある意味丸投げである。となると、現場の人間は、ドコに何を申請すればいいのか“もう訳わかんないよ…”ってなるのは当然であり、したがって、漁協や農協が河川や山林を管理してても、いわゆる“アウトドア好き”に“荒らされる”事になる訳である。遊漁船を運営してる漁師が、漁協や海上保安庁に対して、営業の許諾を得て運営してるとは限らないし、観光農園といっても、農協から支援を受けてやってるとは限らない。当然だけど、所有者不明の山林で、キノコ狩りや山菜採りをする行為も、本来はこれも“密猟”になる訳であって、単に“黙認”されてるだけに過ぎない。

 つまり、全ては“生活のため”という“根元悪”がある以上、どんなに制限をかけたとしても、減らないどころか、さらに悪質になるだけ。もっと言えば、みんなが希少なモノでも“価値ナシ”と無視すれば、必然的に需要が見込めない分、誰もやらなくなる。根元的な事を言えば、伊豆諸島産の宝飾用サンゴは、福島の原発事故の影響が出てるかもしれないのに、それを欲してるバカがいる以上、どんどん密漁される。しかし、さっきも書いたが、福島の原発から漏れた放射性物質が海底にある以上、宝飾用サンゴでも、海流に乗って流れたストロンチウム同位体などの“核の塵”を吸着してる可能性がある訳であり、それを身に付ければ…想像するだけでもおぞましい事です。たとえ福島の原発は関係ないとしても、それならそれで、ビキニ環礁での核実験の影響があるかもしれないのにね。(こういう時こそ、脱原発派は声を荒げて言わないと…太平洋で獲れる海産物は食うなってw)

あんまし言いたかないけど、密漁(猟)を防ぐためには、むしろ、密漁(猟)をやってるモン自身が、なんらかの健康被害や災難に遭わないと減らない。そのための方便として、原発事故や核実験の影響、さらには水質汚濁などを“利用”して、密猟(漁)者に危険を察知させる様に仕向けないといけない。(シーチワワも、ここまで知恵回れば、太地町の漁業関係者を納得させられるんだけどなぁ…w)そして、そんなことをしなくても、生活に必要な収益を生み出せる産業を与えないと、必ず大量の密漁(猟)が行われかねない。単に呼びかけるだけでなく、悪行に陥らない“救済案”を示さなければ、必ず犯罪は繰り返される。だから、やるべきことは一つ…“害獣駆除”の名の下に行われる殺生は、目を瞑れ。