迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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なんで四国や九州に特別警報が発令されないのか?

向谷実氏がTwitter上で、三重県の大雨に対する特別警報発令は理解できるが、なんで高知県徳島県にそれが出ないのかとつぶやかれていた。ぶっちゃけ論で言えば、沖縄を含む南九州と高知県は、元々台風の“通り道”であり、高知県に隣接する徳島県も、台風が起因となる大雨は、ある意味日常茶飯事なことである。この事を踏まえると、そもそも、特別警報を出す程の被害が出てるとは言い切れない訳であり、第一、高知や徳島に特別警報が出るのであれば、とっくの昔に鹿児島県や宮崎県にも発令されてなければおかしい訳で…
では、なんで三重県に特別警報が発令されたのか?その答えは、3年前の台風被害を思い出してもらいたい。奈良県南部(十津川村五條市周辺)と和歌山県南部(那智勝浦町田辺市等)では、甚大な土砂災害が発生し、この事が起因で特別警報が設けられたのを覚えているだろうか?三重県も本来なら台風の通り道ゆえに、特別警報が出る様なモノではない…ハズなんだが、台風接近前から雨が続いていて、地盤が水分を含み過ぎて緩んでると判断された為である。もっと言えば、尾鷲市とその周辺は、元々、日本でも年間降水量が最も多い地域。しかし、昨今の雨の降り方が異常な状態で、上流部の伊賀地方での雨が続けば、下流部の伊勢地方(ぶっちゃけ、津市や四日市市等)では河川が氾濫しやすくなる。もっと言えば、四日市市周辺は工業地帯であるがゆえに、河川の護岸工事が仇となり、排水機能が低下してると予測すると、メインは都市部での水害…これを警戒しての発令と考えた方がスマートだと思う。要するに、今までの砂防ダムでは防ぎきれない様な土石流が、工業都市を襲うかもしれない…という危機感が、発令の“理由”だと考えると、いかに気象庁…というよりも、国自身がええ加減な対応しかしてないと言わざる得ない訳である。とは言え、そうなるのも仕方ない部分があり、僻地の限界集落を切り捨ててまでも、人口が集中する都市部での被害を最小限に抑えようと思えば、三重県全域に発令した事は、有る意味無難な対応であると評価すべきであって、災害が起きてしまってからでは遅すぎると言っていい。むしろ、警報が出た時点で該当する自治体が、いち早く住民に対して避難準備情報を出して呼びかける事が重要であって、そういった防災マニュアルが整備されていない様では、特別警報を発令しても意味がない。季節になれば、台風が頻繁に通過する様なトコでは、土砂災害や水害に対する備えを住民も自主的にやってるから、騒がないだけであって、その油断から甚大な災害に巻き込まれるケースが後を絶たないから、特別警報という名の“脅し”を使わないと避難できないと考えると、どんだけ人間は自然に対し、臆病にならなければいけない程、傲慢になってしまったのかを考え直さなければならない。それこそ、国土強靭化計画の胆でなければならない…自衛隊在日米軍を過度に嫌い、“憲法9条を守れ”と声高に叫んでも、災害から命を守る事は出来ない。再開発やインフラの整備を嫌えば、その事が原因で主要道路の寸断や河川の氾濫によって逃げ道を失う…全ては、自分自身の身勝手によってそうなった事を、他人のせいにし続けて自滅するだけ。さて、何度災害を受け続ければ、本当に“大切なこと”に気づくのだろうか?