迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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さて、大阪市長選が終わった訳だが…

本来、このネタは本家の方で、チルトに総括をやってもらいたいトコなんだが、ある意味、先に結論ありきな選挙に、多くの有権者が辟易し、投票率すら20数%という低調さを見れば、これが如何に“バカげた選挙”かという事が如実に現れると思う。

そもそも論からして、大阪都構想自身は、大阪府知事であったからこそ支持された話であって、大阪市長という“ちっぽけな肩書き”がどんなに吼えたトコで、大阪市民には響かない。むしろ、周辺自治体から反感を買うのは当たり前であって、話が先に進まないからと言って、いきなり住民投票をやったとしても、結果は、この選挙と同じ様に…否、多くの大阪人が白票を投じるか、選挙を棄権する。つまり、本気で大阪都構想をやりたいのであれば、橋下徹市長は、松井一郎知事と知事選で“ガチンコ勝負”をすべきであって、そういう“ワクワク感”がないから、選挙としての“面白味”がないのである。そう、前回の大阪市長選は、平松邦夫元市長との“全面対決”という構図があったからこそであって、今回の場合は、いろんな意味で“出来レース”なモンだから、大阪市民は呆れてる訳であり、大阪市議会も、維新の会以外は“総スカン”な状態に陥る訳である。これ、実は台湾の騒動と同じ“理屈”であり、目標となる志が歪んできたからこそ、民衆との呼吸が合わなくなっている証左と言って良い。

脱線ついでに、何で台湾の学生がこんな騒動を起こしてるのかと言えば、現在の馬英九総統が親中派…ぶっちゃけ、かつて独裁政治をやってた国民党の党首である事と、反中派の民衆に対しての対話を、一方的に拒否した(一部報道談)事が、事態を悪化させたと言って良い。もっと言えば、トップの独断と偏見で政治を行った結果、多数の反対派を排除しようと動いてると、多くの民衆が錯覚した事で、対話の席を設けても、双方の“不信感”が決定的な状態故に、実質的な“武力衝突”という結果になる訳である。これは、ウクライナの問題にも繋がる部分であり、それだけ世界は“リセットの為の戦火”を求めていると言って良いだろう。

話を元に戻すと、大阪府民としては、橋下市長の意見に対しては、ある程度の理解を示してはいる。が、あまりにも“大阪市中心”で物事を言い過ぎる事が、却って堺市和泉市等の泉州の自治体を怒らせる結果になり、それを宥める為に松井知事が振り回される訳である。本来、大阪市長の“仕事”は、大阪市大阪府とは別に統括し、そして運営する為の舵取りがメインであり、その為に、各区役所の職員や区長と連絡を取り合い、必要に応じて大阪府に、あるいは国に支援や強力を要請するのがスジである。これを“二重行政”と罵るのであれば、東京都をよく見てもらいたい。東京都特別区は、区そのものが都内の各市町村と同等の行政区画である。が、その運営の公費は、東京都の、その他の市町村が集めた都民税であり、本来であれば、都民全部に還元すべき恩恵を、特別区に集中させて使ってる訳である。具体例でいえば、本来なら八王子市やあきる野市伊豆大島等で使うハズだった公共事業費を、何故か港区や品川区で使い倒したモンだから、予算を回せない…ってことである。これを、大阪府でもやれば、大阪市財政赤字を解消させる事もできるし、大阪市の公共サービスの向上に繋がると考えた訳だが、そうなると、他の市町村…特に千早赤阪村や太子町等の南河内地域は、一層開発が遅れる事を意味し、豊能町で起きた建設残土の不法投棄による土砂崩れによる主要生活道路の寸断解消も、できないままになる。それ故に、該当自治体から反発の声が上がってるのに無視したり、訴えを退けようとするからややこしくなる。

自分が掲げた理想を現実にしたいのであれば、その協力を煽る上で、何らかの“代償”を、どこかで払わなければならない。等価交換の法則がある以上、これは避けられない事であり、過不足なく物事を進める上で、重要な事である。言い方を変えれば、“ジャイアニズム”な態度をとっていいのは、それに似合うだけの帳尻合わせができる人であり、横暴なままでいると、故に肝心な時に“仲間”だと思ってた者達にまで見捨てられる事になる。解決すべき問題は、いつでも目の前の案件であって、その先にどんな結果が待っているかを予測できるのであれば、どんな対策も現場でできる。その為の“指揮官”でなければ、目先の結果のみに執着するあまりに、禍根を残す事になる。

ま、大阪市民がメディアに惑わされないで考えた“結果”が、今回の投票率の低さであり、無効票とされる分の内、その殆どが“白票”だった事を、真剣に考えないと、大阪の、否、関西の未来は暗い。