迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

こちらは、2019年まで展開していた“ニコニコブロマガ”の保管庫です。

ウクライナ情勢がややこしい背景…

ソチで“平和の祭典”をやってたってのに、なんでウクライナは内戦状態になりつつあるのかっていうと、様々なポイントを挙げると見えてくるかと思う。特に、クリミア半島周辺のウクライナ海軍がロシア軍に寝返ったという情報の“裏”には、そもそも論と言える“民族問題”が介在する。これは、のちに日本に北方四島がロシアから返還されたとしても、必ず残る問題として考えなければならない事であり、決して他人事で済む話ではない。

まずひとつ目は、独立する以前はソビエト連邦のひとつであった事を忘れてはいけない。つまり、この時の“ツケ”が、今のウクライナのゴタゴタの一番の要因である。もっと言えば、ウクライナは、ドニエブル川を隔てて、東西での民族性が違うトコがあり、特に南東部(クリミア半島周辺)はロシア海軍の軍港がある為に、必然的にロシアからの入植者が多い。逆に、首都のキエフより北西部は、ウクライナ人…言い方を変えれば、本来の“国主”であるべき民族が多い。(Wikiの地図では、8割がウクライナ人で、2割がロシア人って事になってるがw)つまり、西側のウクライナ人は、隣接する欧州連合との提携を図って、かつてのソ連時代に虐げられた歴史に終止符を打ちたいと考えてる人が多く、逆に東側のウクライナ人は、ロシアとの連携を求める人が多いのは、その頃の優遇措置が美味しかったからこそといって良いだろう。

というのも、ソ連時代において、チェルノブイリ原発事故をやらかしたのは,当然、ソ連の中央政権の責任であり、今でも隣国のベラルーシ共々“謝罪と賠償(ry”を求める上では、ロシアにすりよった方が有利だという概念がある。つまり、かつてのツケをまだ清算できてないのに、ボロカスに言って絶交するのは損だという考えがある。もっと言えば、クリミア半島ウクライナ人よりもロシア人の方が多い為、ウクライナが独立した後、独自の自治国家として分離を図った経緯がある。実は、ロシア軍がクリミア半島を掌握できた(と、報じられる)背景には、これが一番影響しているといっていい。事実、クリミア自治政府の旗は、ロシア国旗に酷似していて、ウクライナの他の地域とは一線を解している。

要するに、ロシア人の影響が強い地域と、ウクライナ人自身の考え方が完全に平行線を辿った事によって、しかも民主的な選挙(と言ってるが、実際はロシアが介在して、不正な行為をやったモノと思われる)で選ばれた大統領が、多くの国民…というより、ロシアに積年の恨みを抱えているウクライナ人によって追放された件を踏まえると、この事態は、起こるべくして起きた話と言える訳である。言い方を変えれば、プーチン政権に戻ったロシアは、とうとう“本性”を露見させてきたと言って良いかもしれない。

ただ…これに抗議する欧米…特にアメリカも、他人に言えた義理ではないし、況や中国も、近隣諸国に対してやってる行為は、ロシアと同じである。第一、武力行使をしてまでも他国の領土を侵略したり、文化を破壊する事自体、国連安全保障理事会の常任理事国として加入してる者がやるべき態度ではない。その“約束事”を守れない連中が、国連の中枢にいる事自体、国連軍が紛争地域で信用されない最大の原因であり、それを声高に日本が訴えたとしても、必ず中国(と朝鮮半島の二国)が“お前が言うなw”と無視する訳である。しかし、事の問題を拗らせている最大の元凶は、いうまでもなく大国を名乗る国々が、自分の事情のみで他者をバカにし、見下し、そして勝手に“武力による制裁”をやり続けた事にある。この悪癖を止めない限り、世界中の紛争を解決させる事は不可能であり、また、国際テロ組織を名乗る連中の行為を止める事もできない。(ま、こういうテロ組織の裏には、各国の思惑を汲んだ企業が資金提供をやってたりする可能性がある訳なんだが…)

世界平和を本気で考えた時、些細なモメ事が大惨事を招く事になる…ウクライナの場合は、まさにそれであり、本気で庶民を納得させられる説明ができる指導者がいない事が、どれほどの破壊をもたらすかを示している。これ以上、混乱が続けば、恐らく、チェルノブイリ原発が再び事故を起こしてしまうのでは…と考えるのは、オイラだけだろうか?