迷馬の隠れ家〜別館:ブルマガバックナンバー〜

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都民のいない都議選…

猪瀬直樹前知事の、政治資金をめぐる疑惑による辞職に伴う“やり直し”都知事選。でも、マスメディアは、肝心な事を報じていない…そう、大物候補者ばかりに目を向けすぎて、真っ当な選挙公約を掲げている、いわゆる“泡沫候補”の経歴や活動を、何ひとつ取りあげようとしない。これでは、真っ当な考え方をしてる有権者をバカにしてるようなモンであり、それゆえに、投票率が余計に減ることを意味する。

言っちゃ悪いが、所詮は“地方選挙”であって他府県の住人には無関係な話であり、本来、国民の関心事ではない。つまり、訴えるべき相手は“東京都民”であって、日本の国民全員ではない。首都であるからといっても、所詮は“地方”である。その理を無視して単なる地方選で、エネルギー政策や防衛問題、消費税云々を語ることは、笑止千万。本来、東京都民に対して、どんな風に都政…つまり、地方自治を維持していくかを訴える事がスジであって、それ以外の話をする候補者なんぞ、都民にとっては、無意味な話です。
脱原発を公約に掲げるのであれば、その代償として、北京以上の大気汚染は目を瞑ってくれとハッキリ言えます?消費税を今のままで、あるいは廃止の方向で進める代わりに、公共サービスの全廃を言えます?さらに、特定秘密保護の観点から、法律の検索や裁判記録の開示をやめるって言えます?東京都知事だからといって、そんな公約を掲げたトコで、東京都民に通じる訳がありません。第一、殆どの人が選挙の投票に行かないのですから。住民投票を呼びかけても、誰一人参加しない理由を、きちんと把握できる人、現時点で候補を表明してる人にいます?多分、いないと思います。
選挙に行かない人の殆どは、“誰がやっても同じ”という考えと、“自分が立候補しても組織票に負ける”というジレンマがあるからです。前者は、今までの経験上、結局権限を持っているのは選挙で選ばれる長ではなく、役所に勤める役人どもだという考えがある訳で、また、今までの地方自治のあり方も、それが殆どだった訳で、そういった空気に慣れてしまった堕落を、誰ひとりとして打破できないからであり、後者に至っては、既存政党の支持母体に加入してる人が多ければ多い程有利だという考えがあって、それゆえの“諦め”がある。でも、ちょっと考えて欲しい…いくら特定の政党の支持母体となっている組織にいたとしても、考え方まで凝り固まっている人は極少数派であり、殆どの人は意外とええ加減だったりするw つまり、必ずしも、幹部役員と末端の会員とでは、考えが食い違ってくることなんて日常茶飯事だ。それをどうまとめるかは、組織幹部の口八丁にかかってる…もとい、組織内での意識をまとめ上げるための説明がきちんとできるかどうかに掛かっている訳で、中には、話を聞かない人もいる…そこを踏まえた上で批判するならともかく、ただ、組織票が強いという難クセをつける。
忘れてはいけないが、どんなに組織票で当選したといっても、落選した候補者に入れた票数以上の得票数を得ることは不可能な話であり、まして、投票を棄権した有権者の数と合わせれば、当選した候補者と、その支持母体が思い描く政策が全て実現する訳がない。選挙公約をすべて、しかも完璧なカタチで実行するには、それこそ共産主義国家の如く、他者の意見を無視するような政策を行うために、敵態勢力に対する粛清があって当たり前である。つまり、首都の長を決める選挙だからこそ、各政党や派閥が躍起になる事自体、有権者のいない選挙になる最大の“原因”であり、本当に地に足を付けた政治を約束できない様では、何ひとつ守る事も、繁栄させる事もできなくなる。
だからこそ、真面目に考えて欲しい…ともに向上させることができる者は誰かと。それを決めるのは、今回の場合は都民であって、我々ではない。そこを踏まえた上で、行く末を見守るしかないのである。